日本板硝子、太陽光パネル用の透明導電膜ガラス増産で総額約380億円の新規設備投資を決定

 日本板硝子(NSG)は5月11日、太陽光パネル用の透明導電膜(TCO:transparent conductive oxide)ガラスの増産に向け、総額約380億円の新規設備投資を決定したと発表した。太陽光パネルの世界的な需要増大に対応するため、2019年度から2021年度にかけて、現在休止中のベトナムのフロートラインを改修・再稼働するとともに、米国で工場を増設する。

  今回の投資決定は、薄膜太陽光パネルの世界的メーカーである米国ファーストソーラー社との長期供給契約によるもので、NSGはTCOガラスの増産により、VA(高付加価値)製品へのシフトを加速していく。 太陽光発電の世界需要は、今後3年間、毎年2ケタ成長が見込まれており、ファーストソーラー社は高いエネルギー収率の最新型薄膜モジュール「シリーズ6」の生産施設を拡張中。

  NSGのTCOガラスは、成形中あるいは成形直後の高温のガラス表面に導電膜を形成するオンラインコーティングによって製造され、耐久性の高い膜形成により、幅広い用途に使用できる。オンラインコーティングには大量生産に適し、コスト面で優位などの特長がある。 NSGは太陽光パネル用ガラスや他のVA製品の提供拡大により、成長戦略を推進するとともに、再生可能エネルギーの普及に貢献していく。

■日本板硝子株式会社(NSGグループ)は、 建築用・自動車用ガラス、ガラス加工製品、および高機能ガラス製品の分野における世界最大手メーカーの一つ。グループ従業員数は約27,000人。世界各地に主要な製造拠点を持ち、100ヵ国以上で製品の販売を行っている。1918年に創業し、2006年フロートガラス製法の発明者でガラス業界のグローバルリーダーであったピルキントン社との統合を実施した。ピルキントンの名称は、同社グループの建築および自動車ガラスの商標として引き続き使用されている。

■ファーストソーラー社は、 先進的なモジュールシステム技術による総合太陽光発電システムのリーダー。日本板硝子の統合的な発電所ソリューションは、今日の化石燃料発電に対する代案を提供する。原材料の調達から使用済みモジュールのリサイクルに至るまで、ファーストソーラーのエネルギーシステムは環境の保全と向上に役立っている。 

 ニュースリリース