新日鉄住金エンジ、インドJSW社からドルビー製鉄所向け移動式KR脱硫設備を受注

 新日鉄住金エンジニアリング(本社:東京都品川区)は5月14日、以下、新日鉄住金エンジ)は、インド民営最大手製鉄会社であるJSWスチール社より、ドルビー製鉄所拡張計画の一環として、処理能力365トン/ヒート、最大処理量45 ヒート/日の移動式KR脱硫設備を受注したと発表した。

 現在インドでは高級鋼の需要が急速に拡大しており、脱硫設備は、溶銑の処理プロセスとして、高級鋼の安定的かつ効率的生産には必須の設備。KR脱硫設備は新日鉄住金エンジが開発したもので、国内外に約20件の納入実績がある。インドで現在稼働中のKR脱硫設備3基のうち2基は、新日鉄住金エンジがJSW社のビジャナガール製鉄所に2016年に納入した移動式KR脱硫設備。

 新日鉄住金エンジの移動式KR脱硫設備には、(1)1基のKRが複数のステーショ ンで脱硫処理できるため、固定式KRの複数台保有に比し、設備費が削減できる。(2)複数箇所で並行して脱硫・排滓作業ができるため、操業時間の短縮が可能となる。(3)移動式KR、固定式KRの使い分けにより、レイアウトの自由度が増し、顧客の要求やスペースの制約に合わせた柔軟な対応が可能。

 上記のメリットに加え、新日鉄住金エンジの長年の経験・ノウハウや独自の設計手法により、振動等のトラブルが極めて少ないことがJSW社から高く評価され、ビジャナガール案件に続いての受注となった。新日鉄住金エンジは、今後も特徴あるKR脱硫設備で、インドの高級鋼生産ニーズに的確に応えていくとしている。

■ドルビー製鉄所拡張計画:新日鉄住金エンジが第2高炉(炉内容積:5,3 58立方メートル)を建設中。2019年の稼動開始に向け、急ピッチで工事を進めている。

■KR脱硫設備:耐火物製のインペラー(回転翼)を溶銑中に浸漬して回転させ、溶銑と脱硫剤を機械的に混合し脱硫反応を促進する設備。インペラーを高速回転させることで、効率的に脱硫反応を促進することができる。また、脱硫剤として高価なマグネシウムではなく、安価な石灰を使用して脱硫することが可能で、マグネシウムを用いる場合と比較し、操業コストを大幅に削減できる。(マグネシウム利用法より、約45%の操業コストを削減可能)

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