オムロン、台湾のテックマン・ロボット社と協調ロボットで戦略的提携

 オムロンは5月14日、モノづくり現場で人と一緒に作業するアーム型協調ロボットの世界的なリーディングカンパニーである、テックマン・ロボット社(本社:台湾桃園市)と協調ロボットの分野で戦略的提携を締結したと発表した。今回の提携により、オムロンは2018年度下期を目途に、テックマン製のアーム型協調ロボット「TMシリーズ」(画像下)を両社ブランドとしてオムロンのグローバルな販売網を通じて販売していく。また、オムロンとテックマンは、オムロンの各種ファクトリーオートメーション(FA)機器との親和性を高めた次世代型の協調ロボットを共同開発し、人と機械が協調する、革新的なモノづくり現場の実現に取り組む。今回の提携を通じて、オムロンは、各種FA機器と協調ロボットを組み合わせることで、「interactive(人と機械の新しい協調)」の実現を加速させ、顧客企業各社と共にモノづくり現場の生産性や品質を飛躍的に向上させていく。

 近年、世界各国のモノづくり現場では、人手不足が深刻化する一方、顧客の多様化するニーズに応じて多品種少量生産や製品ライフルサイクルの短命化が進み、生産品目の変更や需要変動に合わせた生産ラインの柔軟なレイアウト変更や立ち上げが求められている。このような「フレキシブルなモノづくり」を実現するために重要な役割を担うのが、人と同じ空間で安全に作業を行える協調ロボット。オムロンは、従来の「TMシリーズ」の販売に加えてオムロン製の自動搬送モバイルロボット「LDシリーズ」(画像上)との接続性が高く、簡単に組み合わせて使用できる、「モバイル対応モデル」(TM5M、TM12M、TM14M)を発売する。モバイルロボットは、人や障害物を自動で回避し、モノを搬送する自走型協調ロボットとして、世界中の工場や物流施設内で、人と空間を共有しながら安全に搬送作業を行っている。ユーザーは、モバイルロボットにTMシリーズ「モバイル対応モデル」を搭載することで、モノの搬送に加え、持ち上げてトレイに載せかえる「ピック・アンド・プレース」など搬送前後の作業を担当させることが出来る。

■オムロン㈱執行役員 衣川正吾インダストリアルオートメーションビジネスカンパニー企画室長兼ロボット推進プロジェクト本部長のコメント

 「オムロンは、2015年に産業用ロボットのアデプト・テクノロジー社を買収して以降、ロボット技術の開発と市場開拓に注力してきました。今回のテックマンとの提携は、モノづくり現場において人とロボットの協調を進化させていくための取り組みです。オムロンは、アーム型協調ロボットを新たに商品ラインアップに加えることで、“人と機械が協調するモノづくり現場”を目指す、オムロンのモノづくり現場を革新するコンセプト“i-Automation!”の実現を加速させていきます。」

■テックマンの何世池(ホー・シーチー)会長のコメント

 「テックマンのロボットはスマート(知的)なうえ簡単に使用でき、安全です。私たちは技術革新を通じて人間の生活を改善することを目指しており、オムロンとの提携により、このゴールに向けて大きく一歩近づくことができました。」

■テックマン・ロボット社(Techman Robot Inc.)について

 テックマン・ロボットは協調ロボットとビジョン・テクノロジーのグローバル・リーダー。親会社のクアンタ・コンピュータ社(Quanta Computer Inc.)の支援を受け、ビジョンシステムを一体化した世界で最もインテリジェントな協調ロボットを開発、提供するようになった。「手」と「目」、「頭脳」が一つのシステムに統合されたテックマンのロボットは、産業用ロボットの使い勝手を大きく改善し、導入費用・時間を著しく削減することが可能。テックマンのゴールは、TECHnology(技術)を活かしてhuMAN(人)の生活を豊かにすることであり、私たちは技術革新にまい進し、世界に対して最も使いやすいオートメーション・ソリューションを提供することで社会に貢献していく。

 ニュースリリース