日精樹脂工業が5月7日に発表した2018年3月期(4~3月)連結業績によると、アジア地域を中心に製品需要が好調だったことから売上高は前年比15.2%増の423億2,100万円となった。営業利益は31億300万円(前年比23.0%増)、経常利益は33億5,400万円(同65.6%増)といずれも増加した。一方で、固定資産の減損損失7億9,100万円を計上したこと等により親会社株主に帰属する当期純利益は、14億7,600万円(同0.6%増)となった。
射出成形機業界は、アジア地域における射出成形機の需要が好調に推移したこと、また国内も企業の設備投資需要が堅調だったことから安定的に推移した。日精樹脂工業では、グローバル市場への積極的展開による販売増強のために営業力を強化し、新たなビジネスモデルの創出による売上増を図ってきた。また、最適地生産体制の構築を図り、生産技術力と品質保証体制を強化してグローバル調達の推進および内製化の推進により、コストダウンと生産体制の強化を進めた。
■セグメント状況
日 本:自動車関連等の需要が堅調だったこと等により、売上高(外部顧客への売上高)は210億5,200万円(前年同期比10.7%増)、セグメント利益は20億2,200万円(同96.7%増)となった。
アメリカ地域:自動車関連等を中心に需要が比較的堅調に推移したが、売上高は90億400万円(同7.2%減)、セグメント利益は5億8,000万円(同35.3%減)となった。
アジア地域:自動車、IT関連の需要が好調に推移したこと等から売上高は122億6,400万円(同53.0%増)、セグメント利益は8億4,300万円(同50.1%増)となった。
■製品別売上高
製品別売上高は、射出成形機は323億4,400万円(前年同期比17.0%増)となったほか、周辺機器は30億100万円(同10.7%増)、営業部品は、53億5,400万円(同5.1%増)、金型等は、16億2,000万円(同26.0%増)となった。
■次期見通し
今後、国内は企業収益の改善による設備投資の増加および雇用の改善等から回復基調で推移することが予想され、海外は、北米地域およびアジア地域を中心に回復基調で推移することが予想される。同社では、真のグローバル化と真のイノベーションのシナジー効果により10年後を見据えた積極的な展開と体制作りを進めた結果、2018年3月期からスタートした中期経営計画の目標値を1年前倒しで達成した。引続き、「真のグローバル経営の強化」「グローバル市場への積極的展開による販売増強」「グローバル生産体制の強化」「グローバルリスク管理体制の強化」を軸に企業発展に努め、世界規模で進展する市場に対し、製販財一体となった連結経営機能を発揮して高収益企業としてグローバルな展開を図り、成長市場へ積極的な展開を図っていくとともに、世界4極の生産体制を強化し、生産技術力と品質保証体制を強化していく。
2019年3月期の通期業績予想については、売上高455億円(前年比7.5%増)、営業利益34億円(9.6%増)、経常利益35億円(4.3%増)、親会社株主に帰属する当期利益22億円(同49.0%増)としている。
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