日揮は5月1日、LNGカナダ社がカナダのブリティッシュコロンビア州キティマット地区で計画する大型 LNGプラント建設プロジェクトに関し、米国フルア社と共同で受注することが内定したと発表した。なお受注額と納期は非公表。
受注が内定したプロジェクトは、ロイヤルダッチシェル社がリーダーとして推進する、カナダ西海岸において国内で産出される安価で豊富な天然ガスを液化し、輸出するプロジェクト。これまで、日揮およびフルア社で構成されるジョイントベンチャー(以下、日揮JV)を含めた4グループが、LNGカナダ社とLNGプラント建設プロジェクトに係る交渉を行ってきたが、今年2月にLNGカナダ社は、日揮JVを含めた2グループにEPCコントラクターの候補先を絞り込み、最終交渉を進めていた。
発表によると、LNGカナダ社はこのほど、日揮のLNG実績、技術設計、プロジェクト遂行計画、建設現場の安全管理、入札価格およびスケジュール等を総合的に評価した結果、日揮JVをEPCコントラクターとして選定した。正式な受注契約の発効は、2018年中に予定されている最終投資決定後となるが、LNGカナダ社にとって、今回契約発効に向けてEPCコントラクターを選定したことは、最終投資決定に向けた非常に大きなマイルストーンであると考えられている。
現在、世界的に供給過剰となっているLNGの需給バランスは、主としてアジア圏での需要拡大見通しを背景に2020年代前半に均衡し、その後供給不足になることが予測されている。LNGプラントの建設期間は、4年から5年必要となるため、現在、メジャーオイルなどにより北米などで計画されているLNGプラントの最終投資決定が、2018年から2019年以降に実施される見通し。同プロジェクトも、LNGに関するこれら北米市場での動きの一環であると考えられ、同プロジェクトを皮切りに、今後他のLNG計画においても、実現に向けて前進していくことが期待されている。
日揮は、世界のLNGプラント全生産量のうち、約30%のLNGプラントの建設実績を有している。日揮は、LNGプラントのトップコントラクターとして積極的な営業活動を展開し、今後、進展が期待されるLNG計画の実現に貢献していくとしている。
<プロジェクトの概要>
契約先:LNGカナダ社(LNG Canada)=シェル社(50%)、中国石油(20%)、韓国ガス公社(15%)および三菱商事(15%)で構成されるジョイントベンチャー
建設場所:カナダ ブリティッシュコロンビア州キティマット地区(首都バンクーバーの北西約650 km)
契約:年産650万トン以上×2系列の天然ガス液化設備、ガス貯蔵設備、およびLNG出荷施設に係る設計・調達・建設工事(EPC)役務(天然ガス液化設備を将来4系列に増設するオプション契約も含む)
契約形態:ランプサム契約