日揮、中国COOEC社と戦略的協業に合意、増加するモジュール工法適用プロジェクトに対応

 日揮は4月27日、中国海洋石油工程股份有限公司(Offshore Oil Engineering Co., Ltd.、以下COOEC社)と、モジュール工法を適用するプロジェクトの遂行に関わる協業に合意し、4月17日に5か年の「Strategic Co-operation Agreement」を締結したと発表した。今後、両社は、モジュール工法を適用する石油・ガス・化学プラント、並びにFLNGやFPSO等の浮体式生産・貯蔵・積出設備プロジェクトの新規受注に向け、協業していく。

 モジュール工法とは、プラントを複数の機能単位に分割し、それらを最終建設地とは別の第三国で製作し、大型船による運搬を経て、最終建設地で1つのプラントに組み上げる工法。最終建設地における工事量を最小化することが可能であり、厳しい自然条件や工事コストが高い地域におけるプラント建設プロジェクト実現の切り札となる。また、深海域の石油ガス資源開発に適用される浮体式生産・貯蔵・積出設備についても、船上設備の各機能単位をモジュールとして製作し、最終的に船体上で各モジュールを連結する工法が一般的に採用されている。

 日揮は、豪ゴーゴンLNGプロジェクトをはじめ、遂行中の豪イクシスLNGプロジェクトや露ヤマルLNGプロジェクトにおいてモジュール工法を全面的に取り入れる等、大規模プラント建設プロジェクトへのモジュール工法の適用に関し、世界屈指の知見と実績を有する。また、浮体式生産・貯蔵・積出設備についても、特に技術的難易度が高いとされるFLNG分野で世界トップクラスの実績を有する。

 一方、COOEC社は、中国国内に複数の大型モジュールヤードを有し、日揮が遂行する大型LNGプロジェクト向けに納期通りに高品質のモジュールを製作する等、モジュール製作に関わる豊富な実績と高い品質・納期管理能力が世界的に高く評価されている。

 協業の狙いは、自然環境が厳しい地域や労働者の確保が困難な地域等の建設工事が困難なプロジェクト、浮体式生産・貯蔵・積出設備等、モジュール工法の適用が要件となるプロジェクトは増加傾向にある。また、シェール革命以降、多くの大型LNGプラントや石油化学プラントの建設が計画される北米では、高い労働者コストがプロジェクト遂行上の制約となっているが、建設地における工事量を最小化できるモジュール工法の適用は、有効な対応策となる。

 今後、日揮は、今回のAgreementに基づくCOOEC社との協業等を通じ、確実かつ競争力のあるモジュール製作を実現するプロジェクト遂行体制を整備し、増加傾向にあるモジュール工法適用プロジェクトに積極的に対応していくとしている。

■COOEC: Offshore Oil Engineering Co., Ltd.

 中国3大石油会社の一角を成す中国海洋石油総公司(CNOOC)傘下の海洋エンジニアリング会社。中国国内に複数の大型モジュール製作工場を有する。

 本社:中国天津市

 グループ従業員:8,000名

 FLNG: Floating LNG

 浮体式液化天然ガス生産・貯蔵・積出設備

 FPSO: Floating Production, Storage and Offloading Facility

 浮体式(石油ガス)生産・貯蔵・積出設備

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