日本電産、米国の半導体ウェハー搬送ロボットメーカーを子会社化

■日本電産サンキョーがジェンマーク社の株式取得

 日本電産は4月24日、子会社である日本電産サンキョーGenmark Automation, Inc.(本社:米国カリフォルニア州、以下、ジェンマーク社)との間で、ジェンマーク社が取引のために設立したSPC(特別目的会社)であるGenmark Sub Corporation(以下、GS 社)を通じてジェンマーク社の株式100%を取得し、ジェンマーク社を日本電産サンキョーの完全子会社とすると発表した。対価は現金とするが、金額については売手との取り決めにより非開示。

 日本電産サンキョーは液晶・半導体製造工程で用いられる、クリーン環境における搬送ロボットの製造・販売を積極的に展開している。半導体業界における製造装置の需要の拡大が世界的に見込まれている中で、同分野での更なる成長を目指すために、製品ラインナップの強化及びグローバル体制の強化が急務となっている。

 ジェンマーク社は、半導体製造工程においてウェハーの搬送に用いられる大気ロボット・真空ロボットおよび関連する各種製造装置の開発・製造・販売を主力事業としており、特に今後拡大が期待されているIoT 関係の半導体ロボットの製品開発に強みを持っている。また、設立以来長年にわたり幅広い半導体製造装置メーカーと取引があり、大手顧客からの厳しい要求に応えられるエンジニアが多数在籍しているとともに、北米・アジア・ヨーロッパに販売ネットワーク及びサービス体制を有している。

 今回の取引により、日本電産サンキョーはジェンマーク社が有する開発・製造体制を活用した製品ラインナップの強化を図ると同時に、ジェンマーク社のネットワークを活用したグローバル体制の強化を図る。また、日本電産サンキョーとジェンマーク社双方の顧客基盤を活用した営業活動を展開していく。買収によって今後拡大が見込まれる市場からの需要を積極的に取り込み、飛躍的な成長を目指していく。

 今回の株式取得ストラクチャーは、ジェンマーク社の100%株式を取得するため逆三角合併方式を採用している。ジェンマーク社が100%出資のSPC(特別目的子会社)としてGS 社を設立し、日本電産サンキョーがGS 社の全株式を取得する。その後、ジェンマーク社の株主総会での過半数による承認により、ジェンマーク社とGS 社の合併を決議し、GS 社株式をジェンマーク社株式に転換する。この転換により、ジェンマーク社既存株主は合併対価として現金を受け取るとともに、株主としての権利を消失する。これにより、ジェンマーク社は日本電産サンキョーの完全子会社となる。クロージングは2018年年5月上旬を予定している。

<ジェンマーク社の概要>(2017年12月31日時点)

名称:Genmark Automation, Inc.

本社所在地: 46723 Lakeview Blvd.Fremont, California 94538 U.S.A.

代表者の役職・氏名: Chairman and CEO Mila Genov

事業内容:半導体ウェハー搬送用ロボット、モーションコントロール部品、自動化ソフトウェアの開発・製造・販売

設立年月日:1989年8月15日

大株主および持株比率: Mila Genov 83.8%、その他株主 16.2%

業績(売上・調整後営業利益=2017年):24.7百万USドル(約27億1,700万円)、3.9百万USドル(約4億2,900万円)*110円計算

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