日立建機、鉱山用ダンプトラックをメンテナンス・サービス用に改造しモザンビークの鉱山に納入

 日立建機は4月23日、連結子会社である日立建機アフリカと代理店の日立建機(モザンビーク)が協力し、ダンプトラック EH1100(車両総重量 110t)をベースとした巨大なサービス用トラックを開発、世界有数の鉱山会社であるVale S. A. (ヴァ―レ S. A.)の所有するモザンビーク共和国テテ州モアティゼ郡にあるモアティゼ石炭鉱山に納入したと発表した。

 今回納入したサービス用トラックは、油圧システムが搭載された大型の鉱山機械に使われる油脂類を積み込んで鉱山内を周回するために、荷台部分を大容積のタンクに改造した車両。モアティゼ石炭鉱山で稼働する超大型油圧ショベルやダンプトラックなどのメンテナンスに活用される。

 このトラックは、ダンプトラックEH1100の巨大な荷台を改造し、10,000Lまでの油脂類を積み込むことができる大容積のタンクを6つ備えている。メンテナンスで使われる潤滑用グリスや冷却クーラントなど、必要な油脂類を大量に積載し、大規模鉱山で稼働する大型機械のすぐそばまで近づき、車体から長さ15mのホースを伸ばして直接給脂することを可能にしている。

 また、走行用エンジンと別に、蓄電池と電動ユニットを備えていて、メンテナンス作業中は走行用エンジンを停止することで、コストと環境負荷の低減を同時に実現している。またLED照明を多数取り付けることで、夜間作業における安全性の向上に寄与している。

 大規模鉱山では、大型の各種機械が昼夜別なく稼働している。顧客は、日々のメンテナンスによる機械の停止時間を短縮し、生産性の向上を図るとともに、省エネルギー化を進めるためにさまざまな取り組みを進めている。

 今回開発した巨大なサービス用トラックを活用することで、一般的なサービス車両での給脂メンテナンスの作業に比べ、安全性を高めた環境で、効率良く作業を進めることができ、超大型油圧ショベルやダンプトラックに対するメンテナンス作業の時間を短縮する。適切なメンテナンスが時間を短縮して行われることで、鉱山機械の稼働効率を向上させ、大規模鉱山全体の生産性向上に貢献する。

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