宇部興産は４月19日、地球温暖化対策の一環として再生可能エネルギーの一つである木質バイオマスの利用を推進するため、石炭火力発電所において10%以上の比率（熱量比）で混焼可能な木質バイオマス炭化燃料(トレファイドペレット)を開発、生産能力60,000t/年の実証設備を山口県宇部市に建設することを決定したと発表した。
宇部興産が開発したトレファイドペレットは、耐水性や石炭との混合粉砕性を大幅に改善した木質バイオマス燃料（＊1)。一般的な木質バイオマスを石炭火力発電所で石炭と混焼する場合には、専用のハンドリング設備が不可欠だったが、トレファイドペレットは石炭同等のハンドリング特性を有しており、混焼が容易で専用のハンドリング設備が不要。
今回の実証設備建設の目的は、環境負荷低減に貢献するトレファイドペレットの商品化に加え、使用に際し顧客側（発電所側）で追加投資を伴わない石炭との混合保管・輸送・粉砕・混焼事業モデルを、宇部興産のコールセンター及び石炭火力発電所(216MW設備)を用いて実証すること。
なお、実証設備で原料として使用する木質バイオマスは、Pinnacle Renewable Energy社（カナダ）から長期・安定的に調達し宇部港に輸入する。
宇部興産は、中期経営計画の基本方針として“資源・エネルギー・地球環境問題への対応と貢献”に取り組んでおり、引き続き、サプライチェーン全体でエネルギー使用量削減・廃棄物利用拡大等による温室効果ガス削減に努めるとともに、環境負荷低減に貢献する技術・製品の創出・拡大をより一層推進していく。
＊1) トレファイドペレットとは、木質バイオマスを低酸素濃度雰囲気において比較的低温度で焙煎して得られる固体燃料のこと。
＜トレファイドペレット実証設備の概要＞
建設予定地：山口県宇部市（宇部興産敷地内）
生産能力：60,000t/年／着工：2018年4月／生産開始予定：2019年10月