プライメタルズテクノロジーズ、米国 ITR 社と予防保全ソリューションで業務提携

 プライメタルズテクノジーズ(Primetals Technologies:PT社、本社:ロンドン)と、米国ペンシルベニア州ベスレヘムに本社を置くITR 社(Industrial Technology Research)は4月19日、世界の鉄鋼関連産業を対象とした予防保全ソリューションの利用に関する独占的業務提携協定を締結したと発表した。両社は10 年以上にわたって状態モニタリング分野での協業を行い、現在は50 社以上の顧客企業を対象に共同でサービスを提供している。

 今回の協力協定により、これまで別々であった顧客サービス網を統合して世界中で数百にわたる製鉄所を網羅し、あらゆる保全関連サービスを提供できることになり、信頼できるサプライヤーとしての業界の地位を確保することになる。

 「特に状態予測分野におけるITR 社のテクノロジー、ノウハウ、高い能力を活かすことで、業界トップの状態モニタリングと予防保全ソリューションを通して、顧客により良いサービスを提供することができるようになります」と、PT社のサービス部門のグローバル統括兼上席副社長であるカール・プルカルトホーファー(Karl Purkarthofer)は述べている。「この協力関係は、当社が金属産業におけるデジタル化とインダストリー4.0 の分野を技術面でリードする企業であることも示しています。」

 適切なタイミングで適確にデータを収集・分析することができれば、ほとんどの設備の故障モードは予測が可能。さらに、必要な情報を効果的に伝達できれば、保全及び製品信頼性を専門とする担当者が適切なタイミングで対応できるため、予期しない故障を防ぐことが可能。事後対応あるいは定期点検などの対応ではなく、問題が微小な段階で、その設備状態をもとに対応することで、小さな問題が大きな問題に発展することは無くなり、顧客は限られたリソースを有効に活用することができる。

 またメリットは短期的なものだけでなく、集計されたデータをさらに分析することで、マクロなトレンドの認識から長期にわたる保全や信頼性向上につながり、保全部門の部品調達や、運用・整備活動の継続的改善に役立てることができる。

 ITR 社は、振動モニタリング及び分析という事業分野に、1970 年代半ばに世界に先駆けて進出した企業。ITR 社は、世界最大手の鉄鋼メーカーの研究開発部門として発足し、その後まもなく振動モニタリング、分析技術とサービスのトップ企業としてその地位を確立した。現在、ITR 社の顧客の75%が条鋼圧延と板圧延、製銑および製鋼、鋳造を含む鉄鋼関連の業界で、5 大陸・20 ヵ国に広がっている。ITR 社の予防保全製品には、赤外線サーモグラフィー、空中超音波、流体解析など主要な予防保全テクノロジーがカバーされている。

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