新日鉄住金、超ハイテン鋼板の供給体制を強化するため君津製鉄所に溶融亜鉛めっき設備を新設

 新日鐵住金は4月17日、超ハイテン鋼板(*1)の供給体制を強化するため、君津製鐵所(千葉県君津市)に溶融亜鉛めっき設備(以下、CGL)を新設すると発表した。新CGLは、強度1.5GPa級(*2)の超ハイテン鋼板の製造が可能で、生産能力は月産33千トン、2020年度第2四半期の生産開始を目指す。

 自動車業界においては、世界的に環境規制強化と衝突安全基準の厳格化が進み、車体の軽量化・高強度化ニーズの高まりから、各自動車メーカーでの超ハイテン適用が増加しており、今後も需要拡大が見込まれている。また、今後、普及が見込まれる電気自動車などの電動車においても、走行距離やバッテリー重量の問題により、車体軽量化のニーズが一層高まるものと考えられている。こうした中、新日鉄住金は、車体の軽量化・高強度化を実現する超ハイテン鋼板のニーズ拡大に対応するため、超ハイテン鋼板の供給体制を強化することにした。

 同施策は、鉄のポテンシャルを最大限引き出す「鉄を極める」取り組みの一環であり、新日鉄住金は超ハイテンなどの高機能素材とソリューション技術の提供により、顧客の価値創造に貢献していく。

 なお、同施策にあわせ、君津製鉄所4CGLを休止する。

<新CGLの概要>

生産品種:溶融亜鉛めっき鋼板、及び、合金化溶融亜鉛めっき鋼板

生産能力:33千トン/月

稼働開始:2020年度第2四半期(予定)

 (*1)超ハイテン鋼板:ハイテンはHigh Tensile Strength Steel(高張力鋼)の略称。

  引張り強さが1.0GPa以上ある鋼板を超ハイテン鋼板という。

 (*2)GPa:ギガパスカル。パスカルは引張り強さや圧力の単位。引張り強さ1.5GPaのハイテンは、1mm2あたり150kgの力が加わるまで破断しない。

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