日立造船、メタン発酵事業者としてスウェーデン市場に参入

 日立造船は4月12日、100%子会社Hitachi Zosen Inova AG(スイス、以下、HZI)は、スウェーデン ヨンショーピング市内の湿式メタン発酵施設・ガス充填設備JEBIO1を買収し、メタン発酵事業者としてスウェーデン市場に参入したと発表した。今後スカンディナビア地域で2施設目となるKompogas(R)技術を用いた乾式メタン発酵プラントを建設し、自社設備として運営する予定。

 HZIはJEBIO1をヨンショーピング市から買収したことにより、スウェーデンにおけるメタン発酵事業者となった。今後の2年間は同施設を運営し、その間に乾式メタン発酵技術Kompogas(R)を用いたプラントを同市内に建設する。

 建設予定のプラントでは、乾式メタン発酵槽2基により年間40,000トンの有機性廃棄物(生ごみ・剪定枝等)を処理する。生産したバイオガスは、HZI BioMethan社(*)の設備により高純度のメタンガスに精製され、輸送用燃料(CNG)として販売する。発酵過程で生じた固形堆肥は市が引き取り、液肥は地元農家に販売する予定。

 スウェーデンは、カーボンニュートラル推進で世界をリードしているが、新プラントの建設、HZIのKompogas(R) 技術およびHZI BioMethan社のバイオガス精製技術によってヨンショーピング市内の公共輸送機関は事実上生ごみ・剪定枝等由来のエネルギーで運営可能になる。HZIは今後も事業を通じて温室効果ガス排出削減に貢献していく。

 *HZI BioMethan社:HZIの子会社。Hitachi Zosen Inova BioMethan GmbH(ドイツ)

<建設予定Kompogas(R)プラントの概要>

廃棄物処理量:有機性廃棄物(生ごみ、剪定枝等)40,000トン/年

ガス生成量:バイオガス35GWh/年

残渣処理:堆肥化(固形堆肥、液肥)

建設地:スウェーデン王国 ヨンショーピング市

稼動開始:2020年末

■HZIのコンポガス技術Kompogas(R)について

 乾式メタン発酵の代表的な手法の1つ。生ごみなどの有機性廃棄物を嫌気性状態で約55℃の温度に保ち、微生物の働きによりバイオガスを発生させます。処理済み残渣は堆肥として農業や園芸資料に利用される。HZIのKompogas(R)は世界30カ国以上の国々で商標登録されている。

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