日立化成、約75億円を投じて台湾にプリント配線板用高機能積層材料の新工場

 日立化成は4月11日、台湾の子会社Hitachi Chemical Electronic Materials (Taiwan) Co., Ltd.(以下、HCET)の敷地内に、プリント配線板用の高機能積層材料(プリプレグ*1および銅張積層板*2)の新工場を建設すると発表した。総投資額は約75億円で、2020年4月をめどに稼働を開始する予定。

 日立化成のプリント配線板用積層材料は市場で高く評価されており、特に、第5世代移動通信システム(5G)*3や先進運転支援システム(ADAS)*4、人工知能(AI)等の分野で使用される半導体実装基板用の高機能積層材料は、中長期的にも旺盛な需要が見込まれている。こうした状況を踏まえ、日立化成は、顧客の要望に迅速に応えるためには、製品の最大需要地である台湾での高機能積層材料の供給体制の確立が必要との考えから、今回の決定に至った。

 日立化成は今回の新工場建設を機に、顧客に高機能積層材料をタイムリーに提供できる生産体制を構築することで、同製品の更なる拡販を図っていく。

*1ガラスクロスを樹脂に含浸した材料で、樹脂としては半硬化状態のもの。

*2プリプレグを両側から銅箔で挟み、高温で積層プレスし板状にした製品。

*3現行の通信方式「4G」の次の世代の通信方式。

*4車両の前後や側方に装着したセンサーにより、車両周辺の状況を検知して事故を未然に防ぐシステム。.

<HCET会社概要>

会社名:Hitachi Chemical Electronic Materials (Taiwan) Co., Ltd.

所在地:台湾台南市/代表者:石川 茂

事業内容:半導体回路平坦化用研磨材料の製造、および配線板用感光性フィルムの加工

資本金:702,797千台湾ドル/従業員数:85人(2018年3月末現在)

出資比率:日立化成株式会社 100%/操業開始:2012年

<新工場の概要>

稼働開始:2020年4月予定

生産能力:[銅張積層板] 約12万平方メートル/月(2020年4月予定)

 ニュースリリース