■モーションコントロール、ロボットの販売が大幅増
㈱安川電機が4月12日に発表した2018年2月期連結業績によると、売上高は4,485億2,300万円(2017年3月期:3,948億8,300万円)、営業利益541億2,600万円(同: 304億900万円)、経常利益553億円(同:319億6,300万円)、 親会社株主に帰属する当期純利益397億4,900万円(同:203億9,700万円)となった。事業年度を従来の3月20日から2月末日に変更したことにより、2017年度は前期比増減記載のない変則決算。
2018年2月期(2017年4~18年2月)における業績は、中国をはじめグローバルで製造業における生産設備の高度化・自動化を背景とした旺盛な需要を受け、好調に推移した。特に、半導体や電子部品関連などで、モーションコントロールやロボットの販売が大幅に伸長した結果、売上高および利益は年度業績として過去最高となった。
2019年2月期の連結業績見通しについては、売上高は5,100億円、営業利益655億円、経常利益670億円、親会社株主に帰属する当期純利益500億円の見通し。
■セグメント別の状況
<モーションコントロールセグメント> ACサーボモータ・コントローラ事業とインバータ事業で構成。
ACサーボモータ・コントローラ事業が好調に推移したことに加え、インバータ事業の需要回復により、年度業績としては売上高・営業利益ともに過去最高となった。
ACサーボモータ・コントローラ事業は、生産設備の自動化加速やスマートフォン関連の旺盛な需要を受け、半導体・電子部品向けを中心に販売が好調に推移した。主力製品「Σ-7シリーズ」の販売比率の向上や中国生産の拡大により、収益性は大幅に向上した。
インバータ事業は、米国でのオイル・ガス関連需要や中国におけるインフラ投資の回復により、販売が好調に推移し、営業利益も向上した。
<ロボット>
中国を中心とした海外からの需要増加を背景に、売上高は好調に推移した。また、売上増加に伴い、生産量が高い水準で推移したことや中国生産比率の拡大により、生産性は大幅に改善した。これにより、年度業績としては売上高・営業利益ともに過去最高となった。溶接・塗装ロボットなど同社グループが強みを持つ自動車関連向けの売上は、中国・欧州をはじめ海外全般で堅調に推移した。一般産業分野向けの売上は、スマートフォンや家電など製造業全体での生産自動化に伴う旺盛な需要を受け、中国を中心に増加した。
<システムエンジニアリング>
決算期変更の影響を大きく受け、売上高および営業損益ともに悪化した。鉄鋼プラントシステム・社会システム分野では、設備の更新ニーズを的確に捉え、大型プロジェクトの取り込み等により計画に対しては堅調に推移した。環境・エネルギー分野では、大型風力発電関連の売上は底堅く推移した一方、日本・米国市場における太陽光発電用パワーコンディショナ関連の販売減少により、収益性は悪化した。
<その他>
その他セグメントは、情報関連事業および物流サービス事業などで構成。経営の効率化を目的とした構造改革を進めたことにより、僅かながら収益性が改善した。
なお、2018年2月期より、環境・エネルギー分野のさらなる拡大を図る目的で組織変更を行い、セグメント区分を見直している。従来「モーションコントロール」に含めていた太陽光発電用パワーコンディショナを「システムエンジニアリング」に含めている。
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