■中継無線装置を利用したソリューションの提供
㈱日立国際電気と日立建機は4月10日、IoTの通信環境改善ソリューションの実証実験を実施し、通信環境の改善に成功したと発表した。これにより、IoTで課題となる通信環境が確保しづらい環境でも通信環境を提供することが可能になるとしている。
今回の実証実験では、ICT施工へ積極的に取り組んでいる㈱大林組および㈱正治組の協力により、携帯電話の電波状況が良くない地域の工事現場でもICTが活用できることを検証した。
建設業界は労働者の高齢化による人手不足の課題に向けてICTの活用が期待されている。日立国際電気は、無線通信機器の提供を通じて、日立建機が進めるICT・IoTソリューション「Solution Linkage」の提供に協力し、顧客の生産性向上に寄与する。
今後、日立国際電気は同ソリューションではインターネット接続環境と柔軟な無線LANエリア提供を行えるソリューションとして、製品化を行い、土木・農業のICT活用だけでなく、災害時の臨時ネットワーク、イベント・展示会の仮設ネットワーク、映像監視用のネットワーク、IoTセンサーネットワークの延長など多岐にわたる活用を実現していく。
また、日立建機は同ソリューションを活用し、今夏より「Solution Linkage Wi-Fi」として、ICT土木施工を行う顧客に、ICT重機建機、ICT施工・管理ツールおよび現場間コミュニケーションツールをつなぐ、インターネット接続環境と柔軟な無線LANエリアを提供する予定。
■実証実験に使用した機材の概要
通信環境改善ソリューションでは、顧客に対して、ICT建機、ICT施工・管理ツールおよび現場間コミュニケーションツールを利用する際に必要となるインターネット接続可能な無線LANエリアを提供した。無線LAN通信拡張を無線接続で行うことにより、有線LANケーブル敷設場所や設置作業の削減が可能となり、顧客の使用環境や現場の地形に合わせた柔軟な機器設置や無線LANエリアの提供が可能となった。
■実証実験概要
実験ではインターネット接続回線として携帯電話回線を利用し、携帯電話の電波が届く場所から中継をすることで通信環境が良くない場所でも無線LAN経由でのインターネット接続が可能であることを確認した。これに伴い、ICT施工・管理で利用するクラウド接続が必要な各種情報端末を現場で使用できるようになることで、業務効率改善やテレビ会議システムなどが利用可能となり、離れた現場を行き来する移動時間の短縮やコミュニケーション頻度向上が期待される。