シチズンマシナリー、工作機械のフィリピン製造拠点を拡張、生産能力を現状の月産40台から80台に倍増

 シチズンマシナリー(本社:長野県北佐久郡御代田町)は3月30日、フィリピンにある工作機械の製造拠点拡張を決定したと発表した。組立スペースを拡張し、生産能力を現状の月産40台から80台に倍増する予定。2018年4月中に着工し、竣工は2018年末、稼働開始は2019年1月を予定している。

 工作機械業界は、昨年秋頃より、出遅れ感のあった中国・アジア、米国においても受注が好調に推移する状況となり、国・地域に加え、さまざまな業種で好受注が続いている。同社も足元では過去最高レベルの受注水準が続いており、本社・北上・タイ・中国・フィリピンの各工場とも高水準での生産が続いている。好受注への対応と共に、2018年度を最終年度とする中期経営計画達成はもとより、次期中期経営計画に向けた事業拡大の基礎づくりとして、フィリピン工場の生産能力を拡大させ、安定供給体制を構築する。

■フィリピンの自動旋盤組立工場を拡張 生産能力を2倍に拡大

 拡張するのは、フィリピン・バタンガスにある連結子会社、CITIZEN MACHINERY Philippines INC.でミヤノブランドの自動旋盤組立工場。ミヤノブランド機が得意とする自動車・建設機械関連の需要が世界的に旺盛で、現状は組立スペースが手狭となっていた。今回の拡張により組立スペースが広がることで、自動旋盤本体の生産能力が現状の月産40台から80台と倍増となり、ミヤノブランド機の低・中価格機の供給能力が増強される。

 さらに現在、グローバル市場では自動車・医療機器、アセアン地域では電気・精密機器、新興国では建設・住設関連などの活動が旺盛で、これらの分野についても同社への引合・受注が拡大している。今回の拡張は、こうした需要にも対応していくことを目的としている。

 CITIZEN MACHINERY Philippines INC.は、旧ミヤノの現地子会社として1987年に設立。当初、自動旋盤の土台部分等に使用される鋳物の製造・加工を行っていたが、2011年から自動旋盤本体の生産(※)を開始。これにより鋳物から機械加工、組立までの一貫生産を実現し、現在ではミヤノブランド機の低・中価格機種の海外主力工場となっており、東南アジアのみならず、世界中に製品を供給している。

 ※フィリピンでの工作機械生産は業界で初

<CITIZEN MACHINERY Philippines INC. 概要>

所在地:First Philippine Industrial Park (FPIP),Lot No. 29, Barangay Ulango, Tanauan City, Batangas 4232 PHILIPPINES

構造:鉄筋コンクリート/増床面積:3,744㎡(増床後の総延床面積:18,760㎡)

投資額:総額約5億円

着工:2018年4月/竣工:2018年12月/稼動開始:2019年1月

 ニュースリリース