豊田通商、航空機エンジン部品を手掛けるAeroEdgeに出資

 豊田通商は3月27日、航空機エンジン用部品の製造・販売メーカーであるAero Edge株式会社(本社:栃木県足利市、森西淳社長、以下、AeroEdge(エアロエッジ))が実施する第三者割当増資により発行する株式を引き受ける形で出資したと発表した。

 今回の第三者割当増資は豊田通商を含む計6社を引受先とした総額約22億円で、世界の航空機需要拡大を背景とした航空機エンジン部品の生産需要増加にAeroEdgeが対応するため、生産体制をより強固にし、グローバル市場でのプレゼンス確立・向上を目指すもの。

 世界の民間航空機市場は、新興国の旺盛な顧客需要や貨物輸送の増加などから、年率5%で成長している。これにともない、航空機需要も年々増加する傾向にあり、今後20年間で約2倍の伸びが見込まれている。1機300万点ともいわれる部品から組み立てられる航空機は、航空機完成メーカーとエンジン完成メーカーの2つを頂点に、膨大なサプライヤーが世界中に存在しているが、このような市場拡大にあわせ、新規サプライヤーの参入が相次いでいる。(日本航空機開発協会調べ)

 日系メーカーは、機体構造(胴体や主翼など)やエンジンを中心に、一定のプレゼンスを示している。日本国内でも今後成長が見込まれる航空機産業への新規参入が期待されている。

 豊田通商は、2015年に航空機部品製造を手掛ける旭金属工業と航空機部品の表面処理加工を行う事業会社「Asahi Aero Malaysia SDN BHD.(AAM)」をマレーシア・クアラルンプールに設立するなど、航空部品製造事業に参入している。またラオスのワッタイ国際空港や日本の仙台国際空港といった空港運営も手掛けており、航空関連事業の領域を拡大している。

 今後も自動車分野をはじめとした生産支援事業で培った生産・物流管理の知見および海外ネットワークを活用することで、今回のAeroEdgeを含む日系メーカーの航空機製造における海外受託製造やTier1メーカーとの取引を後押しし、日本の航空産業の活性化に貢献していく。

■AeroEdgeについて:

 AeroEdgeは歯車メーカーである菊地歯車の航空宇宙事業から開始し、2015年に分社化された航空機エンジン用部品の製造・販売メーカーで、近年、新素材として注目されている各種難削材(チタンアルミなど)の加工とその工程設計のノウハウを強みとしている。

 チタンアルミは軽量・高硬度であり、航空分野に限らず用途が拡大しているが、超難削材であるため、世界で切削できるメーカーは限られている。また、厳しい品質管理基準の確立・維持が求められる航空機業界の中で、AeroEdgeは開発~製造~品質保証まで一貫して請け負える体制を整えている。

 AeroEdgeは、大手航空機エンジンメーカーであるSafran Aircraft Engines(フランス)と長期受給契約を締結し、新型民間航空機エンジン「LEAP(*)」に搭載されるチタンアルミ製の低圧タービン(LPT)ブレードを製造している。この「LEAP」への搭載を皮切りに、グローバルな事業展開に取り組んでいる。

<AeroEge株式会社 概要>

社名:AeroEdge株式会社(英文名 AeroEdge Co.,Ltd.)

本社所在地:栃木県足利市寺岡町482-6/設立年月日:2015年9月16日

代表者:代表取締役社長 森西淳/資本金:3,000万円

社員数:74名(2017年10月1日時点/事業内容:航空機部品の製造、および販売

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