東洋建設、ケニア・モンバサ港で大型コンテナターミナル整備工事をフェーズ1に続き受注

 東洋建設は3月22日、ケニア共和国ケニア港湾公社(Kenya Ports Authority)発注のモンバサ港開発事業フェーズ2のうち、「パッケージ1 モンバサ港コンテナターミナル建設工事」を受注し、3月12日に契約調印式が行われたと発表した。受注金額は約135億円、工期は38ヶ月で2021年に完成予定。

 同事業は、東洋建設がアフリカ第1号案件として受注し、2016年2月に完成した同事業フェーズ1と同様、日本政府が独立行政法人国際協力機構(JICA)を通じて供与する有償資金協力(円借款)のうち、本邦技術活用条件(STEP:Special Terms of Economic Partnership)で実施され、軟弱地盤対策等、日本の高い港湾建設技術が求められるもの。

 モンバサ港は、東アフリカ最大の商業港で、ウガンダ、ルワンダ、ブルンジなどの近隣内陸国を結ぶ「北部回廊」の玄関口として重要な役割を果たしている。同地域における近年の目覚ましい経済発展を背景に、同港のコンテナ取扱量は急増しており(2002年:30万TEU*、2015年:107万TEU)、2025年には260万TEUを超える需要が見込まれていることから、フェーズ1事業(取扱能力約55万TEU)に続き、新たなコンテナヤード・岸壁を整備し、港湾能力を一層強化することになったもの。

 主な工事内容は、フェーズ1事業で整備されたコンテナターミナルに接続する桟橋式岸壁(水深15m、延長250m)、約17haのコンテナヤードの造成(埋立、地盤改良工を含む)及び建屋16棟の建設等であり、完成後には年間約50万TEU相当のコンテナ受け入れ能力の向上が見込まれる。

 東洋建設は、2011年に受注した東アフリカ最大規模の港湾工事である同事業フェーズ1工事を工期内に完成させ、ケニア共和国のみならず、東アフリカ地域全体の経済発展に寄与してきた。また、同事業を通じて積極的にケニア国技術者等に対し、厳しい安全・品質管理や建設機械の運転、溶接など日本の高度な建設技術の伝承を行い、高評価を得た。同事業においても、引き続き全社一丸となって技術力を結集し、フェーズ1事業での経験・実績を活かして工事を進め、一層の技術移転を実施することによりこの経済発展に寄与するとともに、日本政府が推進する持続可能な開発目標(SDGs)達成のための「質の高いインフラ投資」に貢献していくとしている。

■TEU* コンテナターミナルの貨物取扱数を示す単位で、1TEUは20フィートコンテナ1個分を示す。

<工事概要>

No.22岸壁:水深-15m 延長250m

埋立工:約17ha 1,350,000㎥

地盤改良工:PVD工3,265,000m

建築工事:RC造+S造屋根 16棟、延床面積12,000㎡

付帯設備工:上下水道、電気、耐火設備工他

情報システム(ICT)工:一式

●施工上の特徴:埋立材料は外洋海底地盤より採砂する。現地盤には厚い軟弱層が堆積しており、国内で広く採用されているPVD(Prefabricated Vertical Drain)工法を採用することで、軟弱な粘性土地盤の圧密を促進することができ、急速施工を可能にしている。

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