日本ガイシ、約200億円投じ半導体製造装置用セラミックスの生産能力を大幅増強、岐阜県多治見市の新工場の生産開始時期を前倒し、生産能力も増強

 日本ガイシは3月20日、岐阜県多治見市に約200億円を投じて建設する新工場を含む国内3カ所の生産拠点でさらに200億円を投資し、半導体製造装置用セラミックスの生産能力を大幅に増強することを決定したと発表した一連の投資により2020年度までに年間生産能力を従来計画の約1.5倍に引き上げ、拡大する需要に応じた供給体制を確立する。(日本ガイシの拠点情報

 日本ガイシは現在、知多事業所(愛知県半田市)と小牧事業所(愛知県小牧市)で半導体製造装置用セラミックスを生産しているほか、多治見市に製造子会社NGKセラミックデバイスの新工場を建設し、2019年10月に生産を開始する予定。今回の投資では、この3拠点の生産設備を段階的に増設し、2020年度までに日本ガイシ全体での年間生産能力を従来計画の約1.5倍に増強する。 

 日本ガイシは昨年5月、約200億円を投じて多治見市に新工場を建設し2020年4月から生産を開始することを発表した。新工場の稼働により半導体製造装置用セラミックスの生産能力を約25%増強する計画だったが、今後も旺盛な需要が続き生産能力を大きく上回ることが予想されるため、生産開始を2019年10月に前倒しするとともに、さらなる増産投資を行うことを決定した。建屋内のスペースの半分に設備を設置して生産を開始し、その後、需要動向に応じて増設する当初計画を変更して、全てのスペースに設備を設置し、生産能力を増強することにした。

 半導体市場は、モバイル機器1台当たりのメモリー容量の増加やあらゆるモノがネットにつながる「IoT」や人工知能(AI)の本格化に伴うデータ量の増加、パソコンやデータセンターの記憶装置が、従来のハードディスク駆動装置(HDD)から半導体メモリーを使用するソリッド・ステート・ドライブ(SSD)への置換が進んでいることなどにより急拡大しており、今後も堅調な成長が見込まれている。半導体メーカーは、需要の増加を背景に今後も高水準の設備投資を継続する見込みで、日本ガイシ製品の需要も一層高まる見通し。日本ガイシは今後も需要拡大に応じた増産設備投資を行い、供給体制を強化していく。

<設備投資の概要>

投資額:約200億円(うち多治見工場 約120億円)

生産開始:知多事業所 2018年10月、小牧事業所 2019年4月、多治見工場 2019年10月(フル生産 2020年4月)

<NGKセラミックデバイス多治見工場の概要>

所在地:岐阜県多治見市長瀬町地内(多治見長瀬テクノパーク)

延床面積:約36,000㎡/生産品目:半導体製造装置用セラミックス(サセプター)

設備投資額:約320億円 ※前回発表時は約200億円(2017年5月)

建屋着工:2018年4月/従業員数:生産開始時 約50人(フル生産時 約200人)

<NGKセラミックデバイス株式会社の概要>

本社所在地:愛知県小牧市大字下末字五反田434番地の3

代表者:代表取締役社長 大原実/事業内容:電子工業用セラミックスの製造

資本金:9,000万円(日本ガイシ100%出資)/設立年月:1994年8月

従業員数:760人(2017年12月現在)/工場所在地:愛知県小牧市、山梨県都留市、石川県能美市

■サセプター:半導体製造装置の内部で半導体材料のシリコンウエハーを支持するセラミック製の機能部品。半導体製造装置の内部で半導体材料のシリコンウエハーを支持するセラミック製の機能部品。日本ガイシでは強度や耐熱性、耐食性などに優れるファインセラミックスの特長を生かし、独自の製法により高機能なサセプターを実現。高温の腐食性ガスやプラズマなどにさらされる半導体製造プロセスでも安定した性能を発揮し、半導体の生産効率を高めることができる。

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