DIC、四日市工場のポリスチレン生産能力を年産20.8万トンに増強、食品容器市場の拡大に対応

 DICは3月16日、四日市工場(三重県四日市市)で製造するポリスチレン(PS)の生産能力を設備強化や生産プロセスを最適化することで年産17万1,000トンから20万8,000トンに増強したと発表した。投資金額は非公開で、2017年11月より増産している。DICでは、PSの生産体制を強化することで、拡大する需要に安定供給を果たし、2023年にはPS事業の売上高を2017年比で10%増加させる。

 PSは透明性、発泡性、成形性が優れ、無臭であることなどから、コンビニエンスストアやスーパーなどで販売されている弁当・惣菜向けの食品容器に多用されている。昨今、単身世帯増などを背景に調理済みの食品を持ち帰って食す“中食”市場が拡大しているが、中でも少量パックの惣菜への人気が高まっており、食品容器の小型化が進むとともに複数購入する消費者が増加していることが容器の流通量増大につながっている。

 また、レンジアップ向けには耐熱プラスチック食品容器が多用されているが、発泡PSは断熱効果を有することから他素材に比べて容器が熱くならないことが安全性につながると評価されている。これらを受け、食品容器向けPSは今後も堅調な需要が続くとみられ、2020年には2016年比約8%の市場成長が見込まれている。

 DICは、透明性や耐衝撃性を有する汎用タイプの「ディックスチレン」や成形性を維持しつつ高強度を有する高機能タイプの「ハイブランチ」といったPS製品に加えて、透明性と耐熱性に優れたスチレン系樹脂「リューレックス」をラインナップしている。

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