アイルランド政府産業開発庁は3月14日、武田薬品工業がグレンジキャッスルの新たな再生医療製品工場の建設に2,500万ユーロ(約32.8億円)を投資し、最大70人の新規雇用を創出する計画だと発表した。この投資により幹細胞を用いた新たな治療薬の製造を専門とする単独型モジュール式細胞治療薬製造工場をグレンジキャッスルの同社敷地内に新設予定。工場は2021年までに商業運転開始の予定で、本投資はアイルランド政府産業開発庁を通じてアイルランド政府が支援する。
武田薬品はこの投資により幹細胞を用いた新たな治療薬の製造を専門とする単独型モジュール式細胞治療薬製造工場をグレンジキャッスルの同社敷地内に新設する。工場は2021年までに商業運転開始の予定。今回の投資はアイルランド政府産業開発庁を通じてアイルランド政府が支援する。
日本最大の製薬会社である武田薬品は、1997年にグローバル市場向け医薬品の製剤工場をアイルランドに設立した。2002年には日本国外初の原薬(API)工場の拠点にグランジキャッスルを選定、2017年にも同敷地でがん治療薬製品ラインの単独型生産工場に4,000万ユーロ(約53億5,177万円)を投資する計画を発表している。
この発表を歓迎してパット・ブリーン担当大臣は次のように述べた。「製薬業界は雇用と輸出面でアイルランド経済に多大な貢献をしており、最も成長力の高い部門でもあります。武田薬品のアイルランドへの投資決定はアイルランドにとって大きな利益であり、我が国での製薬部門の継続的成長を基盤とするものです。この度の投資がグランジキャッスルの同社施設に70人の追加雇用をもたらすことを喜ばしく思います。」
アイルランド政府産業開発庁日本代表 デレク・フィッツジェラルド氏は、「武田薬品は、20年前に初めてアイルランドに進出して以来、アイルランド事業を拡大し成長させてきました。現在、400人以上の従業員を雇用し、欧州および米国市場向けブロックバスター医薬品の重要な製造拠点となっています。昨年の投資発表に続き今般の投資発表は、武田薬品のアイルランド事業に対する信頼関係をよく示しています。世界で2番目に大きいバイオ医薬品生産国としてのアイルランドの強さを考えると、新たな幹細胞治療むけの再生医療製品工場の建設は当然な選択でした。アイルランドの高度に教育された人材宝庫、高品質な医薬品製造の長期にわたる実績、競争力と透明性が高い12.5%の法人税など、製薬企業がアイルランドを選択する理由に挙げられます。」と述べている。
■武田薬品工業株式会社について
1781年に創業し230年を超える実績。本社は大阪市にあり、連結グループは連結子会社135社、持分法適用関連会社15社を合わせた151社により構成(2016年3月末時点)。研究開発型の世界的製薬企業を目指して、自社研究開発を強化するとともに、ライフサイクルマネジメントの推進、導入・アライアンスの積極展開を通じて研究開発パイプラインの充実を図り、ミッションにしている会社。
■アイルランド政府産業開発庁(IDA Ireland)について
アイルランド政府産業開発庁は、アイルランドの産業開発、海外からの直接投資等を推進する目的で設立された政府機関。日本事務所では、過去40年間にわたり、欧州への進出を検討されている日本企業向けに、立地や人材、税制、優遇措置など各種最新情報の提供のほか、現地視察、進出計画の立案から進出後のサポートまで幅広い支援を行っている。