AGC旭硝子(旭硝子)は3月6日、旭硝子CDMO(*1)事業子会社のAGC Biologics社(*2)で、バイオ医薬品の培養能力を増強したと発表した。この増強により同社バークレー工場(米国 カリフォルニア州)の培養能力はおよそ2倍となり、増強した設備は2018年3月より本格稼働を開始する。
AGC Biologics社は、動物細胞と微生物を用いたCDMOで、プロセス開発、スケールアップおよび商業製造までの高付加価値サービスを提供している。バークレー工場では、開発初期からPhase II(*3)段階のバイオ医薬品製造・開発受託に特化しており、セルバンク(*4)の製造・保管・培養から精製まで幅広いサービスを提供している。今回2,000リットルのシングルユース仕様(*5)の培養槽を新たに導入することで、開発初期からPhase II段階の幅広い顧客の要望に応えると共に、開発ステージ進捗に伴うスケールアップ製造にも迅速に対応することが可能となる。加えて各国、各地域のお客様へのよりスムーズな提案や、世界中どの拠点においても実績に基づいたより質の高いサービスを提供することが可能となる。
AGCグループは、経営方針 AGC plus の下、ライフサイエンス事業を戦略事業のひとつと位置付けている。今後も大きな需要の伸びが見込まれるバイオ医薬品事業に対し、必要な設備投資を実施していく。また各国、各拠点のシナジーを最大限発揮し、開発から商業製造までを円滑かつ迅速に進めることで、製薬会社、患者、そして社会に貢献していく。
<注釈>
*1 CDMO:製造受託に加え、製造方法の開発を受託・代行する会社
(Contract Development & Manufacturing Organization)
*2 2018年1月より旭硝子バイオサイエンス事業の一体運営を開始した。現社名はCMC Biologics社だが、一体運営開始に伴い、社名をAGC Biologics社に統一する予定。法人名変更は、2018年度中を予定している。
*3 Phase II :治験薬第II相試験
*4 セルバンク:均一な組成の細胞の集まり。
*5 シングルユース:使い捨て容器を使用した培養槽。洗浄・滅菌工程が不要で、洗浄不足によるコンタミネーションのリスクがない。