三菱重工グループの三菱重工環境・化学エンジニアリング(MHIEC)は3月5日、神奈川県川崎市から、一般廃棄物処理施設「橘処理センター」(高津区)の建設工事を受注したと発表した。老朽施設の建て替え措置により、処理能力600トン/日のストーカ式焼却炉(※)設備を建設するもの。大成建設とのジョイント・ベンチャー(JV)で受注したもので、JVとしての受注額が298億円。完成・引き渡しは2023年9月を予定している。
同センターは、稼働開始から約40年が経過して老朽化が進んだことから、焼却処理施設は2014年度末、粗大ごみ処理施設は2015年度末にそれぞれ稼働停止した。今後は解体・撤去工事を経て、建設工事に着手する運び。焼却処理施設は処理能力200トン/日のストーカ炉3基および発電設備で構成される。
MHIECは、三菱重工が長年培ってきた環境装置分野の技術開発力と国内外を含めた豊富な廃棄物処理施設の建設・運営ノウハウを2008年に継承。多数の実績に基づく建設から運営まで含めた総合的ソリューション提案力を強みとしている。
MHIECは、今回の受注とこれまでの実績をベースに、資源循環型社会形成に寄与する先進的廃棄物処理施設の新設や既存廃棄物処理施設の省エネ化と安定稼働の維持・向上、さらに維持管理費などを含めたL.C.C.(ライフサイクルコスト)低減に向けた提案を積極的に推進し、受注拡大をはかっていく。
※ 耐熱金属の角材を並べた床の上で、廃棄物などの焼却対象物を突き上げることで移動させながら燃焼させる焼却炉で、一般廃棄物焼却炉の主流。