米Sun Hydraulics Corporation(サン・ハイドロリクス:SNHY、本社:SARASOTA)は2月19日、スイスのプライベート・エクイティ・カンパニーCapvis Equity Partners AGなど共同投資家から現金4億3,000万ユーロ(約559億円)でFaster Groupの株式を取得する最終合意に達したと発表した。(1ユーロは約130円で計算)。
買収には、手持ちの現金約1億6,100万ドル(約170億円)と、リボルバーのアコーデオンの行使を含む、Sun Hydraulicsのリボルビング・クレジット・ファシリティに対する3億7,000万ドル(約407億円)の資金が拠出される予定。買収は2018年の第2四半期に終了する予定であり、典型的な決算条件の対象となる。(1ドルは約110円で計算)
Fasterは、クイックリリースの油圧カップリングソリューションの世界的なリーディングカンパニー。主な市場には、農業機械、建設機械、一般産業用アプリケーションが含まれる。イタリアのMilan(ミラノ)に本社を置くFasterは、本社、Toledo(トレド)、米Ohio(オハイオ)、インドPune(プネ)で製造事業を展開している。さらに、同社は中国・上海、ブラジルのSão Paulo(サンパウロ)、 ドイツのLangenfeld(ランゲンフェルド)に販売拠点を持つ。
2017年売上高は1億500万ユーロ(約137億円)、調整EBITDAマージンは27.5%。2018年には、EBITDAマージンを2017年と同じ範囲で16~16.5%の収益成長が見込まれている。この買収は、2018年以降のSNHYのGAAPベースの収益に増加すると見込まれている。
SNHYの社長兼最高経営責任者(CEO)であるWolfgang Dangel(ウォルフガング・ダンゲル)氏は次のようにコメントしている。
「Faster社の買収は、優れた収益性と財務体力を維持しながら、工業製品分野の世界的な技術リーダーとしてSNHYを進化させたVision 2025と整合しています。SNHYをさらに早く多様化させることで、成長する世界の農業市場に深く浸透します。この事業はまた、地域におけるイニシアチブのために、地域内で進歩し、グローバルな事業領域を広げています。Fasterの475人以上のグローバル従業員をSNHYファミリーに歓迎します。当社は、それぞれの製品をお互いの顧客基盤に導入し、技術を活用し、既存の製造能力を拡大する機会を含む、油圧部門とエレクトロニクス部門との相乗効果が非常に大きいと考えています。」
また、キャピス・エクイティ・パートナーズのパートナーであるEric Trueeb氏は、次のように述べている。「Capvisとより速い経営陣は、SNHYをより迅速に取得するのに最適な候補とみなしています。彼らのビジョン2025が与えられたことを考えると、我々はSNHYのオーナーシップの下で、Fasterの継続的な成長と成功が強化されると考えています。」
SNHYの財務アドバイザーはBairdだった。Shumaker Loop&Kendrick、LLPは法律顧問を務め、イタリア弁護士としてPavia e Ansaldoを支援した。
■サン・ハイドロリクスについて
Sun Hydraulicsは、fluid power systems(流体動力システム)の一体部品として力、速度、および動作を制御する高性能ねじ込み式油圧カートリッジバルブおよびマニホールドの設計および製造をリードしている。1970年以来事業を展開しており、1997年に公開企業(ナスダック:SNHY)を務めており、主に独立系ディストリビューターを通じ、世界各地のモバイル機器、産業機器、機械メーカに販売している。日本では、1993年に川崎重工業と販売提携。2025年には売上高10億ドルを目指すビジョンを打ち出している。
2017年業績は2月27日に発表されるが、2017年11月6日に修正した業績予想では、買収(2016年12月、Enovation Controlsより電力制御と車両技術部門を買収)の寄与と好調な業績を反映して、売上高は3億3,000万~3億5,000万ドル、営業利益率は22~24%になるとしている。