帝人、タイに樹脂コンパウンド工場と開発技術センターを新設

 帝人は2月13日、樹脂事業におけるさらなるグローバル展開を進めるため、メタ系アラミド繊維の製造販売、および樹脂製品の販売を手がけるテイジン・コーポレーション(タイランド)社(所在地:アユタヤ県・バンパイン工業団地内)の敷地内に樹脂コンパウンド工場および開発技術センターを新設すると発表した。

 ASEAN地域は、近年の人口増加を背景として、今後も経済成長が続くと見込まれており、欧米系エレクトロニクスメーカーや日系自動車メーカーなどが、アジア戦略の一環としてASEAN 域内への投資を加速している。また、経済構造の高度化に伴い、高機能樹脂製品への需要が拡大し、樹脂コンパウンドの需要も一層伸長する見込み。

 一方、帝人グループにとってタイは、ポリエステル繊維のグローバル生産拠点として50年以上の歴史があり、樹脂事業では、2013年9月にバンコクに販売拠点を設置し、日本と中国の自社工場、およびASEAN域内の協力工場を活用してASEAN地域の需要に対応してきた。また、帝人は長年培ってきたコンパウンド技術により、樹脂製品の高付加価値化を強力に推進しており、成長地域である中国とASEANを中心に、さらなる事業拡大を目指している。こうした中、ASEAN域内の多様な顧客ニーズに対する迅速な対応を強化するため、タイに樹脂コンパウンド工場とASEANにおける技術サポート・開発拠点として開発技術センターの新設を決定した。

 今後、帝人は、今回の樹脂コンパウンド工場新設により、ASEAN域内の需要に迅速に対応する体制を構築するとともに、開発技術センターを併設することで、既存のコンパウンド開発拠点であるプラスチックステクニカルセンター(千葉市緑区)、帝人化成複合塑料(上海)有限公司(中国)とのアジア3極の相互連携により、顧客課題のスピーティーな解決、最適材料の提供を通じた顧客サポート、高機能コンパウンド製品の開発を展開し、需要の拡大に応じてさらなる増強も検討する。

 また、帝人とSKケミカル社の合弁会社であるイニッツ社が生産するPPS樹脂を活用したコンパウンドの展開も予定しており、これにより、自動車やエレクトロニクス分野を中心としたグローバルでの多様な需要への対応力を強化していく。

<樹脂コンパウンド工場および開発技術センターの概要>

業務内容:生産工場:樹脂コンパウンドの製造、センター:樹脂コンパウンドの開発、技術サポートなど

所在地:タイ国アユタヤ県・バンパイン工業団地(テイジン・コーポレーション(タイランド)社敷地内)

生産能力:約1万トン/年

延床面積:約6,000㎡(事務棟、開発センター棟含む)

稼働時期:2019年中頃(予定)

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