三菱日立パワーシステムズ、タイ向けに530万kWの超大型ガス複合火力発電所建設プロジェクトを受注

 三菱日立パワーシステムズ(MHPS)は2月9日、タイ最大の独立系発電業者(IPP)であるガルフ・エナジー・デベロップメント社(Gulf Energy Development PCL)と三井物産の合弁事業会社が進める天然ガス火力発電所の建設プロジェクトをフルターンキー契約で受注し、併せて、長期メンテナンス契約(LTSA)も締結したと発表した。

 受注したのは、M701JAC形ガスタービン8基で構成される出力530万kWのガスタービン・コンバインドサイクル(GTCC)火力発電設備で、東南アジアにおけるM701JAC形の受注は初めてとなる。首都バンコクの近郊に建設される発電所2ヵ所に設置されるもので、それぞれ2021年と2023年の商業運転開始を予定している。

 両発電所は、バンコクの南東約130kmに位置するチョンブリー(Chonburi)県と、ラヨーン(Rayong)県に建設されるもので、出力はいずれも265万kW。天然ガスを主燃料とし、電力はタイ電力公社(EGAT)に販売され、経済発展に伴い急増している電力需要に応えていくこととなる。

 GTCC発電設備は、発電所当たり4系列で、ガスタービン、蒸気タービン、排熱回収ボイラー、発電機などそれぞれ4基で構成される。MHPSは、ガスタービン、蒸気タービンなどを製作・供給し、発電機は三菱電機株式会社が供給する。

 MHPSは2011年にも、ガルフ・エナジー・デベロップメント社が出資する事業会社から、ノンセン(Nong Saeng)ならびにウタイ(U Thai)両GTCC発電所の建設をフルターンキー契約で受注。いずれも2014年と2015年に商業運転を開始しており、こうした実績が今回の受注にもつながった。

 GTCC発電は、ガスタービンでの発電に加え、その高温排ガスを利用して蒸気タービンでも発電ができ、化石燃料を使う発電の中で最もクリーンかつ高効率な方式。従来の石炭火力と比較して約70%のCO2排出を抑制することができる。MHPSのガスタービンは高効率で業界をリードする存在で、とりわけJ形は世界最高水準の高効率運転を実現するMHPSの主力機種であり、JAC形は空気冷却方式を採用したタイプ。

 MHPSは今後も、最新鋭機であるJ形ガスタービンとGTCC発電設備の普及に一層力を注ぎ、世界各地の経済発展に不可欠な電力の安定確保、ならびに資源の有効利用と環境負荷の低減に貢献していく。

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