プライメタルズテクノロジーズ、アルセロールミッタル・ラザロカルデナス社より熱間圧延機と熱間スキンパスミルを受注

 プライメタルズテクノロジーズ(PT社)は2月8日、メキシコの鉄鋼メーカーであるアルセロールミッタル・メキシコ社(ArcelorMittal Mexico S.A.de C.V(◇))より、メキシコ太平洋沿岸のミチョアカン州ラザロカルデナスの生産拠点向けとして熱間圧延機(HSM)と熱間スキンパスミル(HSPM)の納入契約を受注したと発表した。HSMの設計年産能力は250万トン、HSPMの設計年間処理能力は65万トンで、2020年に稼働を開始する予定。

 ◇「ArcelorMittal Mexico S.A.de C.V」の正式表記は添付の関連資料を参照

 これにより、アルセロールミッタル・ラザロカルデナス社(ArcelorMittal Lazaro Cardenas(◇))は、現地工場で生産されるスラブの加工・処理が可能になる。このHSMは、電力供給、機械設備、駆動系、自動化を含めたターンキー方式で建設され、「全プロセス最適化」により、生産工程全体にわたる効率、生産の安定性、製品品質が向上する。このプロジェクトはメキシコの建設会社ロムシー社(LOMCCI S.A.de C.V)とWPコンストラクトラ社(WP Constructora S.A.de C.V)とのオープンコンソーシアム方式で実施される。

 ◇「ArcelorMittal Lazaro Cardenas」の正式表記は添付の関連資料を参照

 アルセロールミッタル・ラザロカルデナス社は、メキシコ最大の鉄鋼メーカーで、スラブの輸出企業。同社は製鋼の主な鉄源として直接還元鉄を使用しており、均一な金属組織を持つ高品質のスラブを生産している。溶鋼の年間生産能力は530万トンで、現時点でのスラブの年間生産能力は380万ト。同社はプライメタルズテクノロジーズが供給する新設のHSMとHSPMにより、現地でスラブを加工・処理し熱間鋼板を生産できるようになる。

 HSMは、粗圧延機と7スタンドの仕上げ圧延機から構成され、厚さ220mmまたは250mmのスラブを圧延する。ターンキー方式で供給される本圧延設備には、スラブ加熱炉、クロップシャー、プライメタルズテクノロジーズ独自のパワー冷却システムを搭載したストリップ冷却設備、ダウンコイラー2基、モジュール式コイルシャトルカーシステムも含まれ、PT社は、全ての機器のエンジニアリングおよび製作・納入に加えて、水処理プラント、現場に分電される高電圧および中電圧による電力供給システム、ロールショップ、検査施設、必要な出荷ベイやクレーンの納入も行います。屋内1ヶ所、屋外2ヶ所にコイル保管倉庫も設けられる。HSPMは、高剛性の圧延スタンド、入側および出側リール、フラットナー、サイドトリマー、検査機器で構成される。

 PT社は機械設備に加えて、HSM、HSPM、コイル倉庫、水処理プラントなどを対象とするベーシックオートメーション(レベル1)、駆動系のエンジニアリングと機器納入、HSM用のレベル2およびレベル3のオートメーション、ならびに工場インフラの電気設備に関する基礎エンジニアリングと機器納入を担当する。HSMとHSPMは、鉄鋼生産工程全体を通して効率、生産安定性および製品品質を向上させるためにプライメタルズテクノロジーズが開発したノウハウベースの統合型ソリューションである「全プロセス最適化」により接続される。これに加え、ノウハウベースの「TPQC IT」システムにより、最先端で付加価値の高い製品を短納期で市場投入できるようになる。

 メキシコのハリスコ州トラケパケを拠点とするWPコンストラクトラ社は、1)出荷ベイの鋼構造建屋、配管・ケーブル用ラック、空調設備、消防システムの基礎および詳細エンジニアリング、2)鋼構造物、空調設備、消防システムの納入と据付、3)水処理プラントを含む機械、電気機器の据付、4)配管、ケーブルの納入と設置を担当する予定。同じくメキシコのメヒコ州ウイスキルカンを拠点とするロムシー社は、1)杭打ちやコンクリート基礎の詳細エンジニアリング、2)コンクリートや石造建物の基礎と詳細エンジニアリング、3)既存のコンクリート構造物の取壊し、4)設備機器の基礎、5)コンクリートや石造建物の土木工事を担当する予定。

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