日本製紙、富士工場に新機能性材料「ミネルパ」の実証生産設備設置を決定

 日本製紙は1月31日、日本製紙独自のパルプ改質技術により、微粒子化した無機物(無機粒子)と木材パルプ(セルロース繊維)を複合化する新しい機能性材料、「ミネルパ(R)(英文名 MinerPa(R))」の実用化を推進するため、富士工場静岡県富士市)に実証生産設備を設置すると発表した。

 日本製紙は、これまでに培ってきた製紙技術の中でも特にパルプ製造に関わる技術と無機物の自製ノウハウを融合し、セルロース繊維の表面に無機粒子を高密度に定着させる独自技術を開発した。

 「ミネルパ(R)」は、その技術により生まれた、表面が無機粒子で覆われた木材パルプ(セルロース繊維)で、これまでにない新しい機能性材料。さまざまな無機粒子が持つ機能性の効果を発現することはもちろん、木材パルプ(セルロース繊維)としての特長も生かせるため、ウエットパルプ、シート、ボード(貼り合わせ)、パウダーなど、さまざまな形状に加工することができる。再生可能な資源である「木」をベースに、無機粒子の配合率を最大90%まで高めることができることから、幅広い分野での用途開発が期待できる。

 今回新設を決定した「ミネルパ(R)」の実証生産設備は、2018年10月に稼働する予定で、年間450トン以上の生産能力を持ち、事業化へ向けた本格的なサンプル供給体制を整える。

 日本製紙は既に昨年2月より、無機粒子の持つ機能性に応じた「消臭抗菌」「難燃」「X線遮蔽」の3つの機能についてプレマーケティングを実施し、顧客ニーズに基づいて、消臭・抗菌機能に加え、「抗ウイルス」などの新たな機能を付与した「ミネルパ(R)」の技術開発に取り組んでいる。

 今後は実証生産設備の導入により、さらに、将来展望が期待できる事業分野の探索と、スピーディーな用途開発を積極的に進めていく。

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