川崎重工業が1月31日に発表した2018年3月期第3四半期(4~12月)連結業績によると、受注高は、航空宇宙事業、精密機械事業、プラント・環境事業を中心に増加となった。売上高は、精密機械事業やガスタービン・機械事業を中心に増収となった。
利益面は、精密機械事業での増益や船舶海洋事業での改善などにより、営業利益、経常利益は増益となったものの、特別損失としてオフショア作業船造船契約解除に伴う損失を計上したことなどにより、親会社株主に帰属する四半期純利益は減益となった。
連結受注高は前年同期比1,167億円増加の1兆20億円、連結売上高は前年同期比493億円増収の1兆923億円、営業利益は前年同期比217億円増益の446億円、経常利益は前年同期比169億円増益の399億円、親会社株主に帰属する四半期純利益は前年同期比34億円減益の145億円となった。*売上高は外部顧客に対する売上高。
<船舶海洋事業> 連結受注高は、LPG運搬船やジェットフォイルの受注があったものの、オフショア作業船にかかる造船契約の合意解除により、潜水艦の受注があった前年同期に比べ312億円減少してマイナス24億円となった。連結売上高は、修繕船の減少などにより、前年同期に比べ50億円減収の699億円となった。営業損益は、貸倒引当金の追加計上や受注工事損失引当金の繰入れ増があった前年同期に比べ、94億円改善して43億円の営業損失となった。
<車両事業> 連結受注高は、バングラデシュ向け都市高速鉄道車両を受注したものの、国内向け地下鉄車両などを受注した前年同期に比べ49億円減少の797億円となった。連結売上高は、シンガポールなどアジア向けが減少したものの、国内向けが増加したことにより、前年同期に比べ48億円増収の998億円となった。営業利益は、増収により前年同期に比べ7億円増益の23億円となった。
<航空宇宙事業> 連結受注高は、防衛省向けの増加などにより、前年同期に比べ1,024億円増加の2,512億円となった。連結売上高は、民間航空機向け分担製造品が減少したものの、防衛省向けの増加などにより、前年同期に比べ85億円増収の2,466億円となった。営業利益は、民間航空機向け分担製造品の収益性低下などにより、前年同期に比べ53億円減益の173億円となった。
<ガスタービン・機械事業> 連結受注高は、国内向けガスエンジン発電所の減少などにより、前年同期に比べ242億円減少の1,680億円となった。連結売上高は、航空エンジン分担製造品の増加などにより、前年同期に比べ205億円増収の1,857億円となった。営業利益は、増収により前年同期に比べ59億円増益の119億円となった。
<プラント・環境事業> 連結受注高は、ごみ処理施設の建設及び運転管理業務の増加などにより、前年同期に比べ260億円増加の864億円となった。連結売上高は、海外向け化学プラントの工事量減少などにより、前年同期に比べ342億円減収の800億円となった。営業損益は、減収により前年同期に比べ24億円悪化して0億円の営業損失となった。
<モーターサイクル&エンジン事業> 連結売上高は、新興国向け二輪車が減少したものの、先進国向け二輪車や汎用エンジンの増加により、前年同期に比べ162億円増収の2,149億円となった。営業損益は、増収により前年同期に比べ52億円改善して32億円となった。
<精密機械事業> 連結受注高は、建設機械市場向け油圧機器の増加により、前年同期に比べ290億円増加の1,447億円となった。連結売上高は、建設機械市場向け油圧機器や各種ロボットの増加などにより、前年同期に比べ327億円増収の1,363億円となった。営業利益は、増収により前年同期に比べ79億円増益の147億円となった。
<その他事業> 連結売上高は、前年同期に比べ55億円増収の587億円となった。営業利益は、前年同期並みの23億円となった。
■2018年3月期の連結業績予想
2018年3月期の連結業績については、連結売上高、連結営業利益と連結経常利益は前回(12月26日)公表値を据え置いた。親会社株主に帰属する当期純利益は、米国の税制改正の影響などにより前回公表値から15億円減少の335億円となる見通し。連結受注高は、船舶海洋事業で減少が見込まれる一方で、車両事業及び航空宇宙事業で増加が見込まれることから、前回公表値(10月27日)から200億円増加の1兆6,400億円、ROICは4.9%、ROEは7.3%となる見通し。
なお、業績見通しにおける為替レートは、1ドル=110円、1ユーロ=130円を前提としている。
コメントを投稿するにはログインしてください。