横河電機は1月29日、子会社であるヨコガワ・ミドルイースト・アンド・アフリカ(本社:バーレーン)が、エジプト国営のEgyptian Natural Gas Company(エジプシャン・ナチュラル・ガス・カンパニー、以下GASCO) から、同社が所有運営するガスパイプライン設備向け管理・制御システムの更新プロジェクトを受注したと発表した。
GASCOは天然ガス処理と送配を担う国営企業で、所有運営するガスパイプライン敷設距離は同国最大の規模。今回のプロジェクトは、GASCOがエジプト全域にガスを供給する総敷設距離約7,000kmの幹線パイプライン設備の管理システムと制御システムを更新し、中央計器室で統合して管理・制御することを可能にするもの。
横河電機が納入する主な製品は、ガス送配スケジュール管理や貯蔵ターミナルの貯蔵量管理などを行うパイプライン管理ソリューションパッケージ「Enterprise Pipeline Management Solution(エンタープライズ・パイプライン・マネジメント・ソリューション、以下EPMS)」と、ガスパイプラインやポンプなどの装置を監視制御するSCADA(※)ソフトウエア「FAST/TOOLS(ファースト/ツールズ)」。
EPMSは、石油・ガスパイプラインの操業に必要な管理機能をもつパッケージソリューションで、監視制御を行うSCADAシステムの情報も統合して管理できる。今回、「EPMS」がもつガスを最適に送配するスケジュール機能などの操業管理機能や、「FAST/TOOLS」がもつ4重化構成も可能な高信頼の監視制御性能、最新の各種業界標準規格に準拠していることが評価された。ヨコガワ・ミドルイースト・アンド・アフリカは、2019年9月までにこれらのシステムを納入する。
執行役員 中東・アフリカ・インド代表 兼ヨコガワ・ミドルイースト・アンド・アフリカの松林 秀樹社長は、「横河電機の専門技術と信頼性がお客様に認められ、エジプトの重要なインフラ設備の更新プロジェクトを受注することができました。これまで横河電機が天然ガス分野において培ってきた豊富な経験を生かして本プロジェクトの成功に寄与し、同国の産業発展に貢献します」とコメントしている。
横河電機は、中期経営計画「Transformation 2017」で、制御事業の基本戦略としてエネルギーサプライチェーン全体における制御事業の拡大を掲げている。今後も、ミッドストリーム市場に相当する石油・ガスパイプラインの操業を最適化するソリューションを積極的に提案し、制御事業の拡大に努めるとしている。
※ SCADA(Supervisory Control And Data Acquisition)システム:監視、制御を行うシステムの一種