IHI、モロッコの独立系発電事業者最大手と大型石炭火力発電ボイラの長期保守契約を締結

 IHIは1月24日、ボイラのメンテナンス事業を展開するIHI POWER SYSTEM MALAYSIA SDNBHD(本社:マレーシア ・クアラルンプール、以下IPSM)と協働で、モロッコの独立系発電事業者最大手であるTAQA Morocco社との間で、大型石炭火力発電ボイラの8年間にわたる長期保守契約(Long Term After Sales AgreementLTASA)を締結したと発表した。

 保守契約の対象は、TAQA Morocco社が運営し、モロッコ全体の発電能力の2分の1を担うジョルフ・ラスファール発電所内の大型石炭火力発電ボイラ(出力350MW×2基)で、ボイラ設備に関するLTASAIHIグループとして初めてのこと。

 モロッコでは、急速な経済成長と社会の発展に伴い、電力需要が増加している。2004年以降、電力需要は年平均で6.5%の拡大を見せており、安定した電力供給が不可欠な状況。保守契約は、長期的かつ安定的に発電所を運営するための、ボイラ設備に関する各種メンテナンスサービスの提供を目的としている。サービスには、部品の供給・技術コンサルティング業務・技術指導員派遣などが含まれる。また、今後追加されるサービスとして最新の遠隔監視システムもメニューに含まれており、システム導入方法・時期について顧客と継続協議中。

 IHIは、国内外で多くの大型石炭火力発電ボイラを納入しており、モロッコでは、サフィ発電所向けに、アフリカ初の超々臨界圧大型石炭火力発電ボイラ(出力693MW×2基)を2018年に納入予定であり、今回の保守契約の対象であるジョルフ・ラスファール発電所向けと合わせて、4基の納入実績を有することになる。これらのIHIの豊富な実績と、マレーシア内外において蓄積されたIPSMによる質の高いメンテナンスの実績が評価され、今回の契約締結に至ったとしている。

TAQA Morocco社:アラブ首長国連邦(UAE)のアブダビ首長国政府が約75%出資している、アブダビ水・電力庁の子会社Abu Dhabi National Energy Company P.J.S.c(TAQA)資本の独立系発電事業者

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