昭和電工、パワー半導体用SiCエピウェハーの高品質グレード品の追加増強を決定

 昭和電工は1月23日、パワー半導体の材料である炭化ケイ素(以下、SiC)エピタキシャルウェハー(以下、エピウェハー)の高品質グレードエピウェハ―「ハイグレードエピ(以下、HGE)」について、現在進行中の生産能力増強に加え、さらなる増強を決定したと発表した。昭和電工の月産能力は今年4月に現在の3,000枚から5,000枚に拡大するが、今回の追加増強により、今年9月には7,000枚まで到達する予定(注)。

 SiCパワー半導体は、現在主流のSi(シリコン)製に比べ耐高温・耐電圧・大電流特性に優れた半導体材料で、電力制御に用いるモジュールの軽量・小型化と省エネルギー化に貢献することから、次世代パワー半導体として注目されている。従来の電源用途に加え、車載への実装に向けた動きが具体化しており、鉄道車両のインバータモジュールのほか、急速に伸長する電気自動車市場においても、車載充電器や急速充電スタンドでSiCパワー半導体への切り替えが進んでいる。

 昭和電工のSiCエピウェハー事業は、業界最高水準であるHGEの欠陥密度の低さと高い均一性が評価され、市場成長を上回る伸びを示している。昭和電工は2017年9月に生産能力の引き上げを決定したが、年央には新設備もフル生産となる見込みであることから、今回、さらなる投資を決定した。昭和電工は今後も、安定供給体制を構築することで、市場からの要求に応えていく。

 (注)1200V耐圧用デバイス仕様での換算

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