IHIのグループ会社である㈱IHIインフラシステム(所在地:大阪府堺市、以下IIS)は1月17日、イタリアの建設会社Astaldi社とのJVで、ルーマニア道路インフラ公社(National Company for the Administration of Road Infrastructure)から、ブレイラ橋の建設工事を受注、1月15日に請負工事契約に調印したと発表した。
受注したのは、ルーマニア東部の主要都市であるブレイラ市と対岸をつなぐ、ドナウ川にかかる吊橋(1,974.30m、中央径間1,120m、4車線)、アプローチ高架橋(両端約110m)および接続道路を含む、総延長約23kmのデザインビルド(設計・建設一括請負)工事。この案件は、IHIグループにとって、同国で初めての受注であり、海外大型橋梁建設に携わったこれまでの実績や、長年にわたり培ってきた知見が評価され、受注に至った。完成後の吊橋はルーマニア国内最長、EU域内では3番目の中央径間長を誇る吊橋となる。
南東欧で最大の国土面積を持つルーマニアはEU加盟後、国内の道路インフラ整備を最優先事項として取り組んでいる。受注した案件も、同国インフラ整備の戦略的プロジェクトとして位置付けられており、EU地域政策予算(EU構造ファンド)が活用されている。日本は1990年代から、ルーマニアに対して、技術協力、文化無償資金協力による経済協力を開始し、港湾・道路整備や鉄道建設などに協力してきた。今回の受注案件も日本の高い技術力をもって、両国の経済関係をより強固なものにできると期待されている。
ブレイラ市と、ドナウ川を挟む対岸の移動は、100kmを超える迂回路や、船の利用に限られているが、吊橋を建設することにより、ドナウ川の渡河が容易になり、交通利便性が大幅に改善される。また、案件の一部である接続道路は、既存の高速道路につながるため、同国最大のコンスタンツァ港とルーマニア東部地域間の貨物流通の効率化に貢献し、EU域内の経済活性化にも寄与できる。
IISでは、昨年12月にインドのムンバイ湾横断道路の道路橋建設工事を受注しているほか、ベトナムの日越友好橋(ニャッタン橋)やトルコのイズミット湾横断橋(オスマン・ガーズィー橋)など、多数の大型橋梁建設に携わり、豊富な経験を有している。今後もより一層海外での橋梁受注活動を推進し、社会インフラ整備を通して各国の発展に貢献していく。
<受注概要>
工事名称:Suspended Bridge over the Danube in Braila Area
施工場所:ルーマニア ブレイラ市
発注者:ルーマニア道路インフラ公社
(National Company for the Administration of Road Infrastructure)
受注者:Astaldi S.p.A - 株式会社IHIインフラシステム JV
工期:2018年1月~2021年12月
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