NEDO、サウジアラビアで省エネ型海水淡水化技術の実証事業を開始

■日本の技術で約2割の省エネ化と建設コスト低減を目指す

 NEDOは1月15日、サウジアラビア海水淡水化公社(SWCCと共同で、省エネルギー型の海水淡水化技術の実証事業を実施することに合意、2017年1211日に基本協定書(MOU)を締結したと発表した。

 この実証事業では、日本国内で確立した技術「Mega-ton Water System」を活用し、サウジアラビアのウムルジにおいて、従来型の逆浸透膜(RO膜)を用いた方法に比べ約2割の省エネルギー化と建設コストの低減が可能な海水淡水化システムの優位性を実証する。今後、実証設備の建設と運転を行い、商用化に必要なデータを取得するとともに、ビジネスモデルについても検討を進め、同国および周辺国への普及展開を目指す。

 サウジアラビアは世界最大の原油生産量を誇る資源国である一方で、降雨量が少ないため淡水資源が乏しく、都市部に供給する水の大部分を海水淡水化に依存しているなど、国土の慢性的な水不足が問題となっている。加えて、同国における海水淡水化方式として主流であった蒸発法は多くのエネルギーを必要とすることから、増大し続ける水需要に対応するために、より少ないエネルギーでより多くの淡水を生産する技術が求められている。

 そこでNEDOは、サウジアラビアにおける水不足問題を解決するために、内閣府、NEDOと民間企業・大学等が国内で確立した省エネルギー型の海水淡水化システム「Mega-ton Water System」を活用した実証事業をサウジアラビアで開始することについて、サウジアラビア海水淡水化公社(SWCC)と合意し、20171211日に基本協定書(MOU)を締結した。2018114日には、サウジアラビア・リヤドで開催された日・サウジ・ビジョン2030ビジネスフォーラムの機会に基本協定書(MOU)の交換式を実施し、実証事業の推進について協力することを改めて確認した。

【事業の詳細】

  • 委託予定先:株式会社日立製作所、東レ株式会社
  • 実証規模:10,000m3/日(造水量)
  • 実証場所:サウジアラビア ウムルジ

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