プライメタルズテクノロジーズ(Primetals Technologies、以下PT社)は1月11日、ドイツの鉄鋼メーカーのヒュッテンベルケ・クルップ・マンネスマン(HKM)社より、デュースブルグ市フッキンゲンの LD 転炉(BOF:純酸素上吹転炉)用にレードルヒーティングステーション 2 基を受注したと発表した。
ヒーティングステーションは、インダストリー4.0(Industry 4.0)に対応、完全自動で年間 560 万トンの溶鋼を処理する。長寿命化と、溶鋼品質を確実にする銅板カバーが使用され、温度測定やサンプル採取など以前は手動で行っていた作業は、ロボット「LiquiRob(リキロボ)」システムが行い、高い安全性を確保する。新たな炉は運転コストを大幅に削減、さらに、リン含有量を低減して、高い比率の合金元素を処理する。運転開始は 2019 年秋の予定。
(HKM)社は、ドイツ・デュースブルグ市フッキンゲンに港湾設備、焼結設備、コークス炉設備、2 基の高炉、および 2 基の LD 転炉設備(BOF)で構成される、ドイツ有数の一貫製鉄所を保有。製鋼設備としては、VD(真空脱ガス)装置、2 基の丸棒連続鋳造機、3 基のスラブ連続鋳造機が設置されている。同製鉄所は 1,800 種類を超える鋼種を生産しており、粗鋼生産量はドイツ全体の約 12 パーセントを占め、スラブおよび丸棒の生産能力は年間約 560 万トンに上る。
PT社は 2015 年に第 3 スラブ連続鋳造機を近代化、2016 年 11 月中旬にはPT社納入による第 2 転炉のBOF トラニオンリングも運転を開始した。