中国の油圧ショベル、12月は1万4,000台、2017年(輸出含む)は倍増の14万台超

■更新需要、一帯一路など好環境続く、2018年は10~25%増の見方も

 中国工程机械工業協会など現地筋によると、中国における2017年12月の油圧ショベル販売台数は前年同月比103%増の14,005台、うち国内は107%増の12,722台、輸出・他は72%増の1,283台となった。これにより、2017年1~12月累計は、前年比100%増の14,0303台となった。うち国内は同108%増の130,559台、輸出・他は32%増の9,744台だった。

 中国油圧ショベルのクラス別構成(2017年12月と通年)

 12月のクラス別(国内)実績は、小型7,396台、中型3,188台、大型2,138台。1~12月のクラス別(国内)実績は、小型79,307台、中型32,005台、大型機19,247台だった。

 中国の油圧ショベル需要は、共産党大会後も高水準のインフラ投資が続くとの見方が増えている。習近平国家主席は、過去5年間の実績をアピールするためにも公共投資を中心とする景気拡大策を継続するとみられており、政府主導の公共投資は引き続き盛り上がると予想されている。

 目玉となる「一帯一路」政策は、建設機械産業の発展に多大な貢献をもたらしている。この路線に沿って1~9月の中国からの建設機械輸出は、前年同期比12%増の61億7,000万ドルとなり、輸出比率は43%と高まっている。また、国務院開発研究センターの見積もりによると、今後5年間で、「一帯一路」に沿ったインフラに対する投資需要は、10兆6,000億ドルに達する見通しと報じられている。

 そのほか、中国の油圧ショベル業界にとって大きいのが更新需要。一般に中国における油圧ショベルの更新周期はおよそ8〜10年。過去のピークである2008~2011年の更新需要が一定程度見込めること。

■これまでの内容

 中国の油圧ショベルは、中国政府のサポートと更新需要により、1年半以上にわたり前年同月を上回っている。政府のインフラ投資、更新需要、昨年が低水準だったこと、世界的な建機需要の回復による輸出増――。これら複合的にプラス要因が重なり、高い回復を示している。

 国家発展改革委員会(発改委)と交通省は、鉄道、高速道路、水路、空港、都市鉄道の303プロジェクトを2016年から2018年までの間に推進することに焦点を当てると明言しており、「交通インフラの主要インフラ整備のための3年間の行動計画」を共同で発表している。約4.7兆元の投資、そのうち2018年は1.3兆元に達しているといわれている。

 建設機械業界を取り巻く環境は、当面、国内外の経済情勢、環境保護政策、在庫・設備更新、鉱業投資、不動産建設、インフラ建設・都市化など明るいとされているが、不動産投資の成長と環境保護政策の低下は、業界に不確実性をもたらす面もある。これらを総合的にみると、2018〜2020年の油圧ショベルの販売台数は12〜16万台で、市場全体として安定するとの見方も出ている。

(参考:2017年販売シェア推定)*4月18日再度更新しました。