ジェイテクト、工作機械主軸ユニット剛性測定システムの開発

■主軸回転中の特性を可視化

 ㈱ジェイテクトは12月20日、電磁石の吸引力を利用することで工作機械主軸の静止時のみならず回転時の特性(剛性・固有値)の測定が可能なシステムを開発したと発表した。

 同システムは同社の独自技術で、出荷時の予圧状態や主軸特性を定量的に把握することで、主軸の信頼性の向上、開発の効率化、性能の経時変化の見える化に貢献する。また、将来的には、測定データを利用して「主軸の異常診断」や「加工条件の最適化」を支援するツールとしての活用を目指しさらなる開発を進めていく。

 工作機械は「機械を作る機械」という意味で「マザーマシン」と呼ばれ、日本の製造業を支える重要な基盤産業として発展してきた。工作機械の更なる発展のためには、その性能を左右する最重要ユニットの一つである主軸の性能や信頼性の向上が必要不可欠で、なかでも主軸用軸受がとりわけ重要な役割を担っている。

 主軸性能に大きな影響を与える因子として、「軸受の予圧」がある。予圧が大きくなると主軸の剛性は高くなるが、高速性、発熱、寿命などの点において不利になる。逆に予圧が小さくなると高速性、発熱、寿命などの点において有利になる一方で、剛性は低下する。性能ばらつきの少ない主軸を製作するためには「予圧のばらつき」を小さくすることが有効となる。予圧の管理項目の測定はいずれも静止時の主軸に対して実施されるのが一般的だが、本来、加工中の主軸は高速で回転しているので、主軸特性の評価は回転中に実施されるべきであると考え、同システムの開発に着手した。

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