チタン工業、酸化チタン事業を再構築、約10億円投じて超微粒子酸化チタン製造設備を増設

 チタン工業(本社:山口県宇部市)は12月12日、業績の早期回復と収益構造の改善を実現するため、酸化チタン事業再構築計画を決議したと発表した。

 チタン工業は、これまで超微粒子酸化チタンをコア事業と位置づけ、新製品の開発および既存製品の拡販に鋭意取り組んできた。また、2017年7月にFDA(米国食品医薬品局)によるGMP 査察を受け、紫外線カット化粧品に使用される超微粒子酸化チタンの製造設備(ST-4 工場)がOTC 原薬製造所として承認されたので、今後は海外からも旺盛な需要が見込まれている。このため事業規模の拡大を図るため、超微粒子酸化チタン製造設備(ST-5 工場)の増設を計画した。

 一方、基盤事業の顔料級酸化チタンについては、安定的に収益を確保できる事業に再構築するため、検討を継続してきたが、海外メーカーとの競争激化や設備の老朽化等により、採算性を確保することが困難であるとの結論に至った。したがって基盤事業の顔料級酸化チタンについては、製品の製造・販売を終了し、コア事業である超微粒子酸化チタンへの原料供給に特化させ、酸化チタン事業の抜本的な再構築を図ることにした。

<酸化チタン事業再構築計画の概要>

(1)コア事業の超微粒子酸化チタン製造設備(ST-5 工場)増設計画について

①設備投資額:約10 億円(予定)

②設備設置場所:山口県宇部市大字妻崎開作字作1727 番地1

③工事着工:2018年 3 月(予定)

④製造開始:2018年10 月(予定)

(2)基盤事業の顔料級酸化チタン縮小について

①製造終了:2018年12 月(予定)

②販売終了:2018年 3 月(予定)

 コア事業の超微粒子酸化チタンの増販により、2021年3 月期に約6 億円の売上増を見込んでいる。また、基盤事業の顔料級酸化チタンの縮小により、2020年3 月期に約7 億円の売上減を見込んでいる。今後の見通しについては、高収益の超微粒子酸化チタンの売上高増加および不採算の顔料級酸化チタンの売上高減少が業績向上に寄与するものと予想している。なお、業績への影響については、今後の売上実績の推移を注視し、詳細が明らかになり次第、発表するとしている。

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