ドイツの農機メーカー、クラース(CLAAS)、2017年度売上は3.6%増の37.6億ユーロ、利益は高成長

 農業機械メーカー大手、独CLAAS(本社:Harsewinkel)が12月7日発表した2017年度(9月決算)の決算及びアニュアルレポートによると、売上高は前年度比3.6%増の37億6,000万ユーロ(約4,963億円)、営業利益は同60.6%増の2億1,200万ユーロ(約279億円)、税引前利益はほぼ倍増して1億8,500万ユーロ(約244億円)、純利益は3倍増の1億1,500万ユーロ(約152億円)となった。

(1ユーロは約132円)

 CLAAS2017年度データ

 「安定した農業工学市場で成長を遂げ、同時に収益性を大幅に向上させることができました。好調な収穫が現代の農業技術に対する需要が著しく増加した東欧市場は、大きく前進しました」とCLAASグループ執行委員会の広報担当者、Hermann Lohbeck(ヘルマン・ロベック)氏は述べた。

 今年は専門農業技術の世界市場が成長を遂げた。しかし、東ヨーロッパと南アメリカで非常に積極的な開発が行われたにもかかわらず、このpicture(図または写真など)はヨーロッパの残りの地域と他の大陸でより混在していた。ドイツのCLAASの売上高は僅かに改善されたが、農民のための特別な減価償却制度の廃止に伴い、フランスの予想売上が大幅に減少した。中国や米国などの大市場では売上がさらに減少した。

■非常に高いレベルでの研究開発への支出

 研究開発投資(2億1,700万ユーロ)は前年度(2億2,100万ユーロ)と同水準であり、過去10年間で倍増している。CLAASの従業員の11%以上が研究開発に携わっている。家族経営は、いくつかの有力な国際見本市が開催され、1年で幅広い革新をもたらした。CLAASはAgritechnica 2017展示会でドイツ農業協会(DLG)が発表したイノベーション賞の枠組みの中で、金1個と銀メダル4個を獲得した。新しいAXION 900大型トラクターとLiebherrと協力して開発されたSCORPION伸縮式ローダーが「Machine of the Year」に選ばれた。

■イノベーションを促進する労働環境は、さらなる刺激をもたらす

 2017年にCLAASは新製品に投資するだけでなく、革新を促進する働き環境にも関わっている。これはニーダーザクセン州のDissenにある新しいエレクトロニクス開発センターの完成によって具現化され、デジタルの未来に向けたさらなる一歩が踏み出される。Harsewinkelと未来志向のビジネスモデルの開発のための共同作業スペースである「温室」に新しい試験検査センターが建設されている。

■世界中の労働力は僅かに減少

 2017年9月30日(前年:11,300人)の時点で、世界の従業員数は10,961人に僅かに減少した。これは、世界中の農業エンジニアリング市場における異なる傾向と、過去数年間実施されたコスト削減イニシアチブを反映している。東欧では追加の従業員が雇用されたが、中国では従業員数が減少した。CLAAS(ドイツ国内)は5,102人の従業員を雇用しており、前年度(5,220人)はやや減少した。見習いのクォータは7.9%(前年度:8.2%)だった。

■見通し

 CLAASは、現在の2018年度の世界の農業工学市場の中程度の改善を期待している。増加する専門農業技術の需要の裏側にある要因には、牛乳価格の強化、およびフランスにおける市場回復の予測が含まれる。農場の収益性は、世界の殆どの地域でやや増加すると予想されている。したがって、CLAASは、好調な販売傾向と税引前の安定した収益を期待している。

 ニュースリリース

 2017アニュアルレポート