NEDO、トヨタ、日野など、インドネシアで圧縮天然ガス車の普及に向け実証事業を開始

■供給インフラを整備し、省エネルギー化、温室効果ガス削減を目指す

 開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構:NEDOトヨタ自動車日野自動車豊田通商東邦ガスエンジニアリング(一財)日本自動車研究所

 NEDOとトヨタ自動車、日野自動車、豊田通商、東邦ガスエンジニアリング、(一財)日本自動車研究所は12月11日、インドネシアでの圧縮天然ガス(CNG)車普及に向けたインフラ構築を含む持続可能な環境整備を行う実証事業を開始すると発表した。

 実証事業では、ジャカルタ首都圏や近郊工業団地に日本の技術によるCNG充填所の設置やCNG車両の導入・運行を通じて、国際基準に沿った品質のCNG車用燃料を供給できるインフラ・システム導入の働きかけを行い、併せて省エネ化、温室効果ガス削減を目指す。

 なお、NEDOは、インドネシアのエネルギー鉱物資源省石油ガス総局(MIGAS)との間で、同国におけるCNGの使用拡大に向けた環境整備事業を行うことに合意し、12月11日に基本協定書(MOU)を締結した。

 また、同時に、NEDOと上記5者のコンソーシアムは、近日中にそれぞれ委託契約を結ぶとともに、インドネシア国有石油会社であるプルタミナ社と共同で事業を推進していくための協定付属書(ID)を締結する。

<概 要>

 現在、インドネシアでは石油製品の輸入・消費抑制を目的に産業分野や輸送分野において自国の天然ガス利用拡大が進められている。とりわけ圧縮天然ガス(CNG)車両については、2016年10月の国家エネルギー計画(RUEN)において、2025年にCNG車両を200万台導入し、CNG充填所を646カ所設置することが目標となっている。

 このような背景のもと、NEDOは、インドネシアのエネルギー鉱物資源省石油ガス総局(MIGAS)と共同で、日本の技術を導入したCNG車両とCNG充填所の設置、運用の実証を通じて、同国でCNG車が持続的に普及する環境づくりを行うことに合意し、12月11日に基本協定書(MOU)を締結した。

 同実証事業を推進するため、トヨタ自動車、日野自動車、豊田通商、東邦ガスエンジニアリング、(一財)日本自動車研究所の5者のコンソーシアムは、NEDOと近日中にそれぞれ委託契約を結ぶとともに、インドネシア国有石油会社であるプルタミナ社と共同で事業を推進していくため、協定付属書(ID)を締結する。期間は2017年12月から2021年3月までの予定で、ジャカルタ首都圏や近郊の工業団地に日本の技術による充填所を3カ所設置し、日本の技術を使用したCNG乗用車とCNG貨物車の導入、運用を通じて、インドネシア政府が進める自国の天然ガス利用拡大を推進し、国際基準に沿った品質のCNG車用燃料を供給できるインフラ・システム導入の働きかけを行い、併せて省エネルギー、温室効果ガス削減を目指す。

 なお、資源採掘・精製から走行までを対象に1台あたりの効果を分析した場合、CNG乗用車はガソリン車と比較し、省エネ効果は約7%、温室効果ガス削減は約22%、貨物車は現地の現有ディーゼル車から燃費の良い最新型のCNG車へ代替することから、省エネ効果は約16%、温室効果ガス削減は約35%が見込まれる。

 また、NEDOは、インドネシア政府関係省庁に対して関連制度・基準の設計支援を行うことにより、国際基準に沿ったCNG車用燃料およびCNG車の規格導入を図る。

<実証事業の概要>

(1)CNG充填所の建設と運用(CNG供給システム)

 ジャカルタ首都圏および近郊の工業団地に最適なCNG充填所を3カ所(ジャカルタ首都圏は2カ所で既存給油所に併設、工業団地は1カ所で新設)設置し、実使用環境下で操業、実証を行う。

  • CNG充填所から供給される燃料の品質(熱量・水分・オイル分等)のCNG車用燃料規格(一般社団 法人日本自動車工業会推奨、Worldwide Fuel Charterで審議中のガイドライン)への適合状況等を 確認。車両の性能・信頼性に与える影響を評価。
  • CNG充填所導入機器と設計システムについて、その妥当性を検証。

(2)CNG車の導入と運行(車両CNG化)

  • CNG車の運行基礎データ(燃費、給ガス時間、メンテナンス等)を取得し、車種・用途への適合性と代 替効果・環境改善効果を検証。

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