㈱日本製鋼所は12月7日、室蘭製作所において、航空機複合材製造ライン新工場の竣工式を行ったと発表した。今後民間航空機を中心に豊富な需要が予測される航空機の構造部材用炭素繊維樹脂複合材製品および金属接着製品の生産を計画している。
航空機事業への参入は高い技術力と品質管理が要求されるが、日本製鋼所はこれまでに原子力や防衛の分野で最高水準の品質規格への対応力を培ってきた。また風力発電などの分野では複合材製造の豊富な実績を有している。
航空機事業には航空・宇宙・防衛関係の品質マネジメントシステムJIS Q9100の認証が必要となるが、早期の認証取得を目指して準備を進めている。また顧客認証および複合材や検査における特殊工程(Nadcap)の認証取得の準備を進め、製造に必要な技能習得を鋭意行っている。
これら航空機事業参入準備にあたっては、産業機器分野で付き合いのある新明和工業・航空機部門の指導と支援を得た。今後、航空機の複合材構造部品サプライヤとして、世界の旺盛な航空機需要に対応すべく、相互協力、発展を目指していく。
<航空機複合材工場の概要>
所在地:日本製鋼所室蘭製作所(北海道室蘭市茶津町4番地)所内
総面積:6,864㎡
主要設備:大型オートクレーブ装置、複合材接着室、自動超音波探傷装置 等
製造品目:航空機翼等の構造部材用炭素繊維樹脂複合材製品および金属接着製品
専任従業員数:19名(2017年12月1日現在)