帝人は11月30日、米国で炭素繊維の製造を行うため、12月にサウスカロライナ州に事業運営会社を設立すると発表した。
帝人グループは、世界的な環境規制の強化に伴い環境負荷低減のニーズが益々高まる中、航空機や自動車等の用途に向けた炭素繊維の技術開発を推進し、事業拡大を目指している。こうした中、昨年末に米国サウスカロライナ州で取得した工場用地(180万㎡)に炭素繊維製造ラインを新設し、その事業運営会社として、Teijin Carbon Fibers, Inc.を設立することを決定した。また、これに伴い、連結子会社で炭素繊維事業を展開する東邦テナックスの三島事業所内におけるプリカーサ (注)の生産能力を増強することを決定した。設備投資総額は約350 億円を予定している。
(注)プリカーサ:炭素繊維の原料として用いる特殊なアクリル繊維。これを200℃~300℃で酸化(耐炎化工程)した後、1000℃~2000℃で焼成(炭素化工程)することで炭素繊維ができる。
帝人グループは今回の設備投資を契機として、炭素繊維事業における川上から川下に至るまでのソリューション提案力を強化するとともに、日・米・欧の3極をベースとしたグローバル展開を更に加速する。そして、長期ビジョンとして掲げる「未来の社会を支える会社」に向けて、強力に変革を推進していく。
<新設する事業運営会社の概要>
社名:Teijin Carbon Fibers, Inc.
事業内容:炭素繊維の製造
設立時期:2017 年12 月(予定)
工場稼働時期:2020 年度中(予定)