プライメタルズ、伊フェリエラ・バルサビア社向け棒鋼圧延機用ビレット溶接システムを受注

 プライメタルズテクノロジーズPrimetals Technologies、以下PT社)は11月30日、イタリアの鉄鋼メーカーであるフェリエラ・バルサビア社(Ferriera Valsabbia S.p.A.)から、同国北部のブレシア県オードロ(ベローナ市近郊)の工場向けに、既設の棒鋼圧延機用の設備としてエンドレス圧延用ビレット溶接システム「ERTEBROS」を受注したと発表した。

 今回の受注は、工場の生産量と稼働率の大幅な改善を目的としており、同システムによって圧延用素材であるビレットを連続溶接することで、高品質製品の一貫連続圧延を可能とするもの。イタリアで初めて導入される同溶接システムは、2018 年 9 月に稼働開始予定。

 1954 年に設立された民間企業であるフェリエラ・バルサビア社は、電気炉(EAF)を主体とするミニミルを操業し、コンクリート用鉄筋の圧延生産用の素材であるビレットと棒鋼を年間約 90 万トン生産する能力を有するイタリア大手の鉄筋メーカー。既存の棒鋼圧延機は、2007 年から 2008 年にかけてPT社が納入したもので、ビレット用の溶鋼充填システムのみならず、2 条スリット圧延モードで毎秒最大 29 メートルの圧延速度が可能な棒鋼単体高速搬送システムも装備。

 今回投入する溶接システムの設計年産能力は 90 万トンで、これにより連続的に接合されたビレットは、エンドレス圧延が可能となり、これまでのビレット単体の圧延加工と比較して加工時間および生産能率が大きく改善するとともに、冷却床の使用効率も向上して運用自由度も増えることから、コイル重量のカスタマイズも可能になる。

 今回のビレット溶接システムで、PT社はバリ除去設備(デバリングステーション)、払い出しシステム、ピンチロールやせん断機、ローラーテーブルなどの付属設備を含むビレット溶接システム「ERTEBROS」一式に加えて、流体システム、電気機器およびオートメーションシステム、溶接制御用技術パッケージ、温度損失を補うために圧延機スタンドの手前に据え付けられる誘導炉を供給し、プロジェクトのエンジニアリング、更に新設機器の組立と試運転も担当する。

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