横河電機は11月29日、ボスニア・ヘルツェゴビナを構成する行政区画のひとつであるスルプスカ共和国のウグレヴィック石炭火力発電所に導入される排煙脱硫装置向けに制御システムを受注したと発表した。これは、西バルカン諸国で初めて設置される排煙脱硫装置で、2019年10月に稼働する予定。
ウグレヴィック石炭火力発電所は、ボスニア・ヘルツェゴビナ北東部にあり、同共和国における発電容量の約4分の1に相当する出力30万kwの発電容量をもつ火力発電所。同発電所は、硫黄含有率が高い褐炭を燃料としているため、高濃度の二酸化硫黄を排出している。排煙脱硫装置を設置することにより、同国の環境改善および将来のEU加盟を視野にいれたEU環境基準の達成への寄与が期待される。
横河電機が受注した主な製品は、排煙脱硫装置の監視制御を行う統合生産制御システム「CENTUM(R) VP(センタム ブイピー)」。プロジェクトの遂行は、Yokogawa GesmbH,(所在地:オーストリア)とYokogawa Europe Branches B.V.(本社:オランダ)のセルビア支店が行い、「CENTUM VP」は2018年8月までに納入する。
なお今回の受注は、同プロジェクト向けに排煙脱硫装置を供給するコンソーシアムの構成メンバーである三菱日立パワーシステムズと、子会社の横河ソリューションサービスの販売代理店である新川電機(広島本社:広島市/東京本社:千代田区)の契約によるもの。
世界的な環境意識の高まりに伴い、発電設備向けの排煙脱硫装置の導入は、世界各国で今後ますます増える見込み。横河電機は、排煙脱硫装置向けに、フィールド機器・分析計から、制御システム、および排煙脱硫装置を含むプラントの操業の最適化を支援する上位システムに至るさまざまなソリューションをラインアップし、世界各地の排煙脱硫装置向けに100以上の制御機器の納入実績がある。これまで、中東欧の排煙脱硫装置向けには、ブルガリアやルーマニアの大型石炭火力発電所に制御システムを納入している。横河電機は、排煙脱硫装置の導入をはじめとする環境対策プロジェクトに積極的に提案を行い、地球環境保全に貢献していく。