川崎重工、遠隔協調で熟練技術者の動きを再現する新ロボットシステム「Succesor」を販売開始

■ロボット化が困難であった分野への新たなソリューション

 川崎重工業は11月29日、遠隔協調で熟練技術者の動きを再現する新ロボットシステム「Successor(サクセサー)」の販売を開始すると発表した。まず2018年度に川崎重工西神戸工場のロボット製造ラインへ導入するとともに、一部の顧客向けに限定販売し、2019年度より一般販売を開始する。

 「Successor」とは、遠隔協調を可能とする新開発遠隔操縦装置を有するシステムで、遠隔操縦によりさまざまな分野にロボットを適用することが可能であり、このシステムは多岐にわたるカワサキロボットに対応できる。

 同システムは熟練技術者が遠隔装置で操作した動きを、ロボットの自動運転に切り替えられ、また繰り返し操作した動きをAI技術でロボットが学習することで、微調整が必要な熟練技術者の繊細な動きもロボットで再現する。これにより、

① 製品の組立・艤装など人の感覚を必要とする工程や、鋳物・プレス部品など製品のばらつきが大きく人の技能を必要とする分野

② 人が介在せずに自動化するためにセンサを多用したり、ライン全体または工場ごと改造しなければならず、また教示に時間がかかり過ぎてコスト・時間的に見合わない分野

③ 受注生産品や個別部品など製品形状が微妙に異なり、また頻繁に製品モデルを変更するといった非量産品分野 ――など、従来自動化が難しかった分野へのロボット導入を可能にする。さらに、熟練技術者がロボットに記憶させた動きを、触覚、力覚、視覚、聴覚などを再現できるフィードバックシステムを通じて新人技術者へ技能伝承することも可能となる。

 川崎重工は、国産初の産業用ロボット製造開始から現在に至るまで、50年間で培った技術力を活かし、ロボットを活用した新しい産業の未来を創造していく。

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