ジェイテクト、高耐熱・低温性を両立するリチウムイオンキャパシタを開発、2019年量産を目指す、機械などにも拡販

 ㈱ジェイテクトは11月27日、蓄電デバイスの1種である「リチウムイオンキャパシタ」の開発を進め、2019年の量産を目指すと発表した。

 今年9月にBR蓄電デバイス事業室を組織し、取り巻く環境の変化を先読みした持続的成長の柱となる新領域の1つとして位置付けている。今後、既存事業の製品に搭載しての拡販を進めるとともに、製品単独での販売も計画しており、キャパシタ単体販売、バランス回路を組み合わせたモジュール販売、充放電コントローラーも組み合わせたシステム販売も行う予定。

 また、自動車業界のみならず、工作機械、建設機械、鉄道、発電装置、交通インフラなど様々な領域での拡販を進め、その用途も補助電源、予備電源、発電装置の機能安定化、電源回生、さらにはメイン電源と顧客のニーズに沿った様々な形で貢献することを目指す。

 少子高齢化・環境・エネルギー問題といった将来の社会課題、自動運転・人工知能・3Dプリンタなどの破壊的イノベーション、リーンスタートアップ・オープンイノベーションといった技術開発競争の激化とジェイテクトを取り巻く環境は大きく変化している。この社会動向・環境変化を先読みし、ジェイテクトの持続的成長の柱となる新領域の事業の立上げを推進する。

 燃費規制の拡大、高度運転支援・自動運転の普及・拡大を受け、省エネ・自動運転化に大きく貢献する電動パワーステアリングの適用範囲の拡大が求められているが、大型車両へのEPS搭載には12Vの車両電源では出力が不足している。キャパシタと充放電コントローラーを従前のEPSに付加することで、車両電源の12Vに対しキャパシタからの6Vの電圧を付加し18Vの高出力化を実現し、EPSの適用範囲の拡大に貢献していく。

■キャパシタ:

 物理的に電力を充放電する蓄電池。蓄電容量は限られている代わりに一度に高いエネルギーを放出する瞬発力が特徴だが、リチウムイオン二次電池同様に耐熱性に課題があった。車両に搭載するために要求される環境温度はエンジンルーム内であれば-40℃から125℃、車室内であれば-40℃から85℃。この条件に対し、ジェイテクト製のリチウムイオンキャパシタは独自技術により、-40℃から85℃まで使用可能となり、車室内での使用要求に適合。さらには出力する上限電圧を制限すれることで105℃まで高温環境で使用可能となる。

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