■ロボットとねじ締めの融合による品質・生産性の向上
㈱安川電機と日東精工(本社:京都府綾部市)は11月28日、多関節ロボットとねじ締めドライバを融合させた「ねじ締め自動化装置」を共同開発、2018年に製品化すると発表した。
安川電機は、長期経営計画「2025年ビジョン」に掲げている「新たな産業自動化革命の実現」に向け、新たなソリューションコンセプト「i3-Mechatronics(アイキューブ メカトロニクス)」を発表した。顧客の機械・設備を充実させるためのコンポーネントを中心とした既存のハード面でのソリューション提供に加え、その機械・設備を実際に稼動させた後のデータ活用による生産性の向上、高い品質の確保・維持、そして止まらないラインの実現といったソフト面での製品力を拡充し、顧客の生産現場において新しいトータルソリューションの提供を目指している。
ものづくりにおける組立工程でのねじ締め作業は多種多様にわたり、その自動化ニーズは非常に高まっている。そのような状況の中、サーボ・ロボットの制御技術に強みを持つ安川電機は、「i3-Mechatronics(アイキューブ メカトロニクス)」のコンセプトのもと、精密ねじ大手メーカーでねじ締めソリューションに優れたノウハウを持つ日東精工と共同で、ロボットコントローラにねじ締めドライバの制御技術を統合し、ロボットとねじ締めドライバを一括制御する「ねじ締め自動化装置」を共同開発した。
「ねじ締め自動化装置」では、ロボットが持つ位置情報と、ねじ締めドライバが持つトルク情報を組み合わせることにより、ロボットがリアルタイムにねじの締め付け品質を把握することが可能になった。そのため、従来は検知が難しかったタップ(雌ねじ)の加工不良や、長さ違いのねじ混入による締め付けミスを検知し、その場でリトライすることが可能となった。また、得られた情報を上位システムへアップロードすることで、工場全体のねじ締め品質を見える化し、一元管理することも可能。合わせて、ロボットとねじ締めドライバの操作系統を一本化することで、ロボットのペンダントからロボットとねじ締めドライバ双方の動作パラメータを簡単に設定することが可能となり、セットアップ時間を短縮できる。
このハード面とソフト面を融合させたねじ締め自動化装置の開発により、ねじ締め作業をよりインテリジェントにするとともにデータマネジメントを可能にするソリューションを提供する。
<日東精工株式会社の概要>
会社名:日東精工株式会社
本社所在地:京都府綾部市井倉町梅ヶ畑20番地
事業内容:工業用ファスナー(ねじ)や自動組立機械(ねじ締め機)、計測・検査装置などを製造販売。ねじ・ねじ締め機は大きなシェアを誇っている。
なお、「ねじ締め自動化装置」は2017年11月29日(水)~12月2日(土)に開催される2017国際ロボット展[会場:東京ビッグサイト 東4ホール 小間番号 IR4-47]に出展する。