関西電力、MHPSなど、酸性腐食環境に有効な反応性塗料Pat!naLock®-Σを開発

 関西電力㈱京都マテリアルズ長瀬産業三菱日立パワーシステムズ(MHPS)は11月27日、酸性腐食環境において優れた耐腐食性を示す反応性塗料「Pat!naLock®-Σ」を開発(注1)したと発表した。

 石炭や石油等を燃料とする火力発電所の排出ガス処理設備は、処理過程で発生する硫酸ミスト等の影響により、酸性腐食環境にさらされている。その環境下では、ダクトおよび配管等の腐食減肉に対する定期的なメンテナンスが必要となるため、コスト削減の観点から、耐腐食性の向上が課題となっていた。

 この塗料は、関西電力が提供するK-VaCS(注2)の新規ソリューション開発の一環として、オープンイノベーションの観点から、京都マテリアルズが発明し、長瀬産業が、現在、製造販売している反応性塗料「Pat!naLock®」の技術を酸性腐食環境下で初めて適用するために、各社が持つ技術を結集して共同研究を実施してきたもの。

 その結果、このほど新たに開発した耐酸性反応性塗料「Pat!naLock®-Σ」を一般鋼材(炭素鋼)に施工すると、酸性腐食環境で腐食減肉量が未施工と比較して約1/10以下になり、ステンレス鋼と比較しても耐腐食性に有効な結果が得られた。これにより、ステンレス等の高価な鋼材を使用することなく設備の延命が可能となり、大幅なコスト削減が見込める。この塗料は火力発電所設備に限らず、広く腐食環境下の鋼材に対し適用が期待できる。

 関西電力、京都マテリアルズ、長瀬産業およびMHPSは、「Pat!naLock®-Σ」の更なる技術開発およびその製品の販売を通じて、社会インフラおよび各種プラント設備のコスト低減に貢献したいと考えている。

(注1)平成29年10月6日に特許庁に対し、特許申請を実施済。

本塗料は平成30年3月に長瀬産業より販売開始を予定。

(注2)関西電力が平成29年9月17日に公表した火力発電所の計画・設計・建設・運用におけるすべての段階において、発電事業者および発電事業に関連するお客さまの個別のニーズに合わせたサービス。国内外における火力発電事業の計画・設計・建設・運用に関係するすべての事業者さまを対象としている。

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