川崎重工とABB、協働ロボット分野に焦点を当てた世界初の協業で合意

■協働ロボットに焦点を当てた、安全、プログラミングおよび周辺機器とのインターフェース、通信等における産業共通の基本技術の確立に向けた世界初の協業

 世界的なインダストリアル・オートメーションとロボットのサプライヤーである川崎重工業ABB グループ(Zurich, Switzerland)の両社は11月27日、協働ロボット、特に双腕ロボット分野における知識の共有やロボット活用の促進に関する協業に合意したと発表した。この世界規模の協業は、27日より実施する。

 今回の「協働ロボット」に焦点を当てた両社による協業は世界初の取り組みであり、両社が独自に製品の製造やマーケティングを展開しつつ、協働ロボットの技術や普及に向けて力を合わせるもの。これには政策当局やNGO、社会に対する協働ロボットによる自動化の利点に関する教育や安全、プログラミングおよび周辺機器とのインターフェース、通信といった産業共通の基本技術の確立などが含まれる。

 多くの産業で、少品種大量生産から少量多品種生産へのシフトが起こり、人とロボット、機械、そしてプロセスにおける協働の重要性が高まっており、これは生産の流動性や人の介在が増すことを意味している。協働ロボットによる自動化は、人間の知識、洞察力、変化に対する臨機応変な対応と、ロボットの反復作業に対する疲れを知らない耐久力というそれぞれの固有の強みを持ち寄って作業することを可能にする。

 また、この協業は、アジアの業界大手である川崎重工、そして、ヨーロッパ最大のロボットのサプライヤーであるABB の、国境を超えた協働を意味する。「今日のロボット産業のスケール、そして変化のスピードは想像を超えるものです」と、ABB のロボティクス事業のマネージングディレクター、Per Vegard Nerseth(パーベガード・ニース)氏は述べている。「協働型オートメーションの背後にある技術の向こうには、画期的な新しい協働の方法や安全、プログラミングおよび周辺機器とのインターフェース通信といった産業共通の基本技術の確立へのニーズも存在しています。」

 「協働型双腕ロボットは、二本の腕を持ち、人のように動き、様々な作業をこなすことで、高齢化による労働者不足に直面している社会に貢献しています。より付加価値の高い技術とソリューションにより、人とロボットが安全に協働できる人共存分野におけるロボット需要は高い潜在性を有し拡大していく。」と、川崎重工の常務執行役員ロボットビジネスセンター長、橋本康彦氏は述べている。「川崎重工とABB が、ユーザーフレンドリーで先進的な協働型オートメーションの促進のために、ともにリーダーシップを発揮することは、大変喜ばしい。」

 ABB は、世界初の真の協働型双腕ロボット、YuMiⓇを通じて、協働型オートメーションのパイオニアとして認知されている。同社のYuMi ロボットは、人とロボットの安全な協働を可能にし、小型電子部品の組み立てなどのような、共通の作業を分担することを実現している。

 川崎重工は、同社のアプリケーションにおける知見を結集した、人と安全に共存、協働できるユニークかつ革新的な双腕スカラロボットduAroⓇを販売している。

 この協業の第一弾として、2017 年11 月29 日~12 月2 日に開催される「国際ロボット展2017」の川崎重工ブース「IR5-22」、ABB ブース「IR3-56」および、“人に優しい社会へ”をテーマとする共有ブース「SR-82」において、両社の双腕ロボットを出展し、デモンストレーションを行う。

■川崎重工について

 川崎重工は、120 年以上の歴史があり、異なる事業部門が連携し技術のシナジー効果を図ることで、革新的な製品を世界の人々に提供し続けている。現在は、世界で約35,200 人の従業員を擁し、エネルギー・環境等のインフラ、機械およびロボット、船舶・車両・航空宇宙分野での輸送システム、モーターサイクルやパーソナルウォータークラフトといったレジャー製品等、最新技術を駆使した多彩な製品を世の中に送り出している。

 川崎重工のロボットビジネスセンターは、広範な製品ポートフォリオを有するロボットおよびロボットオートメーションシステムの主要サプライヤーで、これまでに約50 か国に17 万台のロボットを出荷している。日本市場でのパイオニアであるロボットビジネスセンターは、2017 年に50 周年を迎えた。世界的ロボットサプライヤーの一社として、産業用ロボットメーカーから、総合ロボットメーカーへの変革を標榜している。川崎重工は、陸、海、空にわたる多角的な事業や製品により蓄積してきたアプリケーションへの深い知見を有している。

■ABB について

 ABB(ABBN:SIX Swiss EX)は、電力、一般産業、交通/社会基盤においてエレクトリフィケーション・プロダクト、ロボティクス&モーション、インダストリアル・オートメーションおよびパワーグリッドの各分野で、世界中の顧客に製品・サービスを提供している先駆的技術のリーダー。

 125 年以上にわたり、技術革新の歴史を重ね、そして今日、ABB は産業のデジタル化の未来を描き、エネルギーおよび第四次産業革命を推し進めている。ABB は世界100カ国以上に約136,000 人の従業員を擁している。

 ABB ロボティクスは、産業用ロボット、協働ロボット、先進的デジタルサービスのパイオニア。世界の主要ロボットサプライヤーの一社として、世界53 カ国に100 拠点を擁し、様々な産業およびアプリケーションに30 万台以上のロボットの納入実績がある。よりIoT 化された、協働可能な未来の工場へと向かいながら、顧客の柔軟性、効率性、安全および信頼性の向上を支援している。

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