東洋インキ、トルコに新工場用地を取得、生産能力増強と新事業のスタートを推進

 東洋インキSCホールディングスは11月20日、東洋プリンティングインクス(TOYO PRINTING INKS INC./TOYO MATBAA MÜREKKEPLERI SANAYİ VE TİCARET A.Ş.;本社:トルコ・マニサ州マニサ工業団地)の事業を拡大するため、新たに同マニサ工業団地内に用地6.2万㎡を取得すると発表した。

■土地取得の目的

 TOYO PRINTING INKSは、現在トルコ・マニサ県のマニサ工業団地(Manisa Organize Sanayi Bölges)を本拠(面積約2万㎡)として、主にグラビアインキ、フレキソインキ、製缶塗料、オフセットインキ、金属インキを生産・販売し、トルコ国内に強固な地盤を築いている。しかし、成長著しいトルコおよび周辺エリアでのトップシェアとブランド確立を目指し、かつ、各品種の生産能力の増強と新事業のスタートを推進するためには、現拠点では設備の拡張・増強が困難であり、新たな用地確保の必要があった。

 現拠点のあるマニサ工業団地は、国内トップクラスのインフラを有し、トルコの大手企業に加え、外資系企業や日系企業、また東洋インキの顧客である企業も含め、現在227社が入居している。トルコ国内の複数の工業団地と比較した結果、TOYO PRINTING INKSの新拠点には、現在のマニサ工業団地が最適であると判断、同工業団地内に新たに約6.2万㎡の土地を取得することを決定した。

 今後、TOYO PRINTING INKSはトルコ国内において、パッケージ関連製品の拡大に加え、新たに樹脂生産を軸とした製品ラインアップを拡充して、総合力を強化する。また、東欧・ロシア・アフリカ・中東への販路を構築して売上と利益を拡大する一方、EU諸国においても東洋インキグループの各拠点と連携してビジネス基盤を確立し、新事業の立ち上げも併せて進めていく。

■トルコ事業について

 東洋インキグループは、モノづくりを通して世界中の様々な文化や人々の暮らしのために役立つ企業グループとして、人々の生活に直結する食品に利用される包装材料をはじめ、パッケージ関連市場に向けた印刷インキやコーティング材料などを供給している。東洋インキグループはこれまで、現在の成長エリアである中国・東南アジアでの収益拡大を図りつつ、インドやブラジルをはじめとする新興国への進出を図るグローバル展開を積極的に推進してきた。

 2014年、グローバル展開をさらに加速すべく、MENA(中東・北アフリカ)・中央アジア・東欧地域への展開強化を掲げ、地理的にも優位性の高いトルコに注目、2015年2月に販売会社TOYO INK TURKEY KİMYA SANAYİ A.Ş.を設立した。さらに翌2016年2月には、トルコ最大のローカルインキメーカーDYO Matbaa Mürekkepleri Sanayi ve Ticaret A.Ş.を買収(TOYO PRINTING INKS INC.に改称)し、事業基盤の要となる現地生産体制を確立した。現在は、TOYO PRINTING INKSに販売・生産機能を集約するとともに、技術開発力を強化、生・販・技一体となって事業を推進し、トルコ国内でのシェアアップを目指している。

 その一方で、トルコをハブ拠点としたMENA・中央アジア・東欧地域における事業拡大とグループブランドの確立、また、食品をはじめとする諸産業において環境技術や環境規制の発信地である欧州での事業基盤の強化は急務であり、そのためには生産設備の増強が重要な課題となっていた。

■TOYO PRINTING INKS INC.について

 2016年2月に東洋インキグループに加わったTOYO PRINTING INKS INC.は、1968年設立のトルコ最大のローカルインキメーカーで、出版用のオフセットインキ、枚葉インキ、スクリーンインキ、フレキソインキ、グラビアインキ、缶用塗料などの幅広い印刷インキとその関連製品を製造・販売している。

 生産拠点として、マニサ州の最先端工場とイスタンブールの調色センターを有し、トルコ国内の4つの営業拠点と国内外44の代理店で営業活動を行っている。

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